1959年~61年頃のサイド参加盤です。
サイド参加として、充分な存在感を示している作品もありますが、歌伴やビッグ・バンドへの参加などでは、必ずしも彼のソロが目立つ作品ばかりではありません。
なかにはほとんど伴奏の中に埋没してしまっている作品もあります。
また、ご紹介できるのはごく一部で、この何倍ものサイド参加作があり、仕事の中身は選ばなかった人のようです。
・新宿ジャズ談義の会 :ズート・シムズ CDレビュー 目次
・Zoot Sims CDサイド参加 ③・・・このページ
Annie Ross(vo),Zoot Sims (A1 to B2),Bill Perkins (B3 to B5)(ts),Russ Freeman(p),Monte Budwig(b),Frank Capp (B3 to B5), Mel Lewis (A1, A3, A4, B1, B2)(ds)
アニー・ロスはベイシーバンドのボーカライズが原点なので、スィングテイストの粋な曲調が合っていて、ズートとの相性もバッチリだ。ズート・シムズの歌伴ものでは、彼の存在感が際立っている好盤といえると思う。(しげどん)
Quincy Jones(arr),Zoot Sims(ts),Phil Woods(as),Harry Edison,Clark Terry(tp),and Others
名アレンジャーとして全米ポピュラー界の重鎮になったクインシー・ジョーンズによる初ビッグバンド作品。スター・プレイヤーのソロをちりばめ、名曲のメロディを生かしたアレンジはジャズファン以外の幅広い層に受けそうな内容で、この段階から実験性よりもポピュラリティを狙っていたクインシーのスタンスが良くわかる作品。ズートのソロはタイトルナンバーほか、Tickle Toe, Happy Faces, Whisper Notで、でてくる。ほか、クラーク・テリー、フィル・ウッズなど贅沢にスタープレイヤーを使っている。(しげどん)
Chet Baker(tp),Herbie Mann(fl),Zoot Sims(as,ts),Pepper Adams(bs),Bill Evans,BobCorwin (p),Earl May(b),Clifford Jarvis(ds)
チェット・ベイカーとの共演で、素材も歌モノなのでぴったりの役回りだが、録音もややエコーががっているのか、かなりイージーリスニング寄りの印象を受ける一枚。ジャケットの少女趣味的なところもジャズらしくなさを感じる。リバーサイドらしくないと感じる作品だった。(しげどん)
Marky Markowitz, Reunald Jones, Bernie Glow/Burt Collins, Red Rodney, Ernie Royal(tp),Nat Adderley (cor),Bob Brookmeyer ,Jimmy Cleaveland , Jim Dahi, Frank Rehak(tb) Sam Marowitz(as), Zoot Sims, Al Cohn, Dick Hafer, Don Lanphere(ts), Gene Allen(bs), Nat Pierce(p) ,Billy Bauer, Barry Galbraith(g) ,Milt Hinton(b) Eddie Costa(vib),Don Lamond(ds)
ズートの名を最初に高めたウディ・ハーマンの2nd Herdはクールサウンドを売り物にした。でもこの4th Herdは雰囲気的には1st Herdのバリバリ元気な雰囲気に近く、Hard Bop Orchestra といった感じ。ズートはスター扱いでソロも多く聴かれ、他にもナット・アダレイ、エディ・コスタなどが参加しにぎやか。この時代に於いてはすでにかってのようなバンドの明確な個性はなく、普通のモダンビッグバンドという感じだ。(しげどん)
Art Farmer(tp),Jimmy Cleaveland(tb),Zoot Sims,Seldon Powell(ts),
Hank Jones(p),Addison Farmer(b),Charlie Persip(ds),others
ディジーのアフロキューバン作に似た印象。楽しい盤ではあるが、愛聴することはない。(hand)
なぜアステカなのか理解に苦しむが、ジャズというより映画音楽のようだ。南米の古代文明を探検するドキュメンタリーなんかがあったらピッタリでは?(しげどん)
←アナログ盤のデザイン
Buddy DeFranco(cl),Zoot Sims(ts),Frank Rosolino(tb),Terry Gibbs(vib),Don Fagerquist(tp),Ronny Lang(bs),and Les Brown Orchestra
レス・ブラウン楽団が、様々なスター・プレイヤーをフィチュアーするという企画で、バディ・デフランコ、フランク・ロソリーノ、テリー・ギブスなどが参加、レス・ブラウンのスター・プレイヤーであったドン・ファーガキストのソロなども味わえて楽しめる盤。全12曲でAB面各一曲、計各2曲づつ割当られているが、今日的にはズートが参加した二曲がお目当てになりそう。でもほかの曲も楽しめる作品。CDでは、Swing Song Bookというアルバムと抱き合わせで収録されていて24曲いりだが、こちらのほうにはズートは参加していない。(しげどん)
Booker Ervin, Zoot Sims(ts),Tommy Turrentine(tp), Tommy Flanagan(p), George Tucker(b), Danny Richmond(ds)
性派テナーのブッカー・アービンの初リーダー作だが、なぜそこに同じテナーのズートが参加したのだろう?かなりタイプの違うテナーなので、企画の意図は良くわからない。でもこの明白な対比は面白味があるとも言える。ジョージ・タッカーとダニー・リッチモンドのリズム陣は、名作ダウンホームを彷彿させる雰囲気がある。(しげどん)
Teddy Charles(vib),Sam Most(fl,cl),Zoot Sims(ts),Jimmy Raney(g),Dave McKenna(p),Bill Crow(b),Ed Shaughnessy(ds)
エール大学でのライブ録音で、テディ・チャールズがリーダーだ。ジミー・レイニー(g)、サム・モスト(fl)を含むグループだが、全員参加は挨拶程度に最初の一曲だけ。それ以降は各メンバーのフィーチャリングナンバーになる。ズートは別格扱いで二曲続けて登場するが、続いてマッケンナ(p)、レイニー(g)、モスト(fl)のナンバーと続き、後半はテディ・チャールズの曲が続いて終わるので、ズートの再登場はない。だが、この2曲はなかなか良いので一聴の価値あり。(しげどん)
Monica Zetterlund(vo),Thad Jones(tp),Zoot Sims (ts),Jimmy Jones(p),Al Hall,Milt Hinton(b),Bobby Donaldson, Osie Johnson(ds)
スェーデンの歌姫モニカ・ゼタールンドの豪華メンバーによる作品。録音後35年たってから発掘された。ズートはHe's my guy , Come rain or・・・、などでソロが聴けるが出番はあまり多くない。モニカ・ゼタールンドのアンニュイなボーカルを味わう盤。ちなみにサド・ジョーンズのほかにアル・ホールという人もトランペットで参加しているとクレジットされていることが多いが、これはどう考えてもミスプリントで、彼はベーシストなのだ。彼が参加しているトラックでは、ホーン楽器は聞こえず、ピアノトリオによる伴奏なのだから。(しげどん)
Bud Powell(p),Pierre Michelot(b),Jean-Marie Ingrand(b:4only),Kenny Clarke(ds),Zoot Sims(ts:1-3),Barney Wilen(ts:7),Dizzy Gillespie(tp:7)
アール・バドの発掘音源アール・バドのシリーズについては、hand氏が全貌をコメントしているので、そちらを参照されたい⇒アール・バドのページへ
このBoxセットの第5集に3曲だけズートが参加している。バドに合わせた有名ビバップ・チューン中心の選曲なので、ズートはやや押され気味だが、唯一のウタモノであるTaking A Chance On Loveでは本領発揮。恐らくぶっつけ本番だと思われる粗さがあるが、そこも面白い聴きどころだ。(しげどん)
Curtis Fuller(tb),Zoot Sims(ts),Tommy Flanagan(p),Jymie Merritt(b),Dave Bailey(ds)
ズートの参加と賑やかジャケで人気のエピックでの2作目。馴染みのスタンダードと滑らかなズートのテナー、そして名人フラナガンのサポートで親しみやすい盤になっていると思う。録音のせいもあると思うが、デイブ・ベイリーのドラムが張り切って聞こえる。(hand)
タイトルから想像するようなコテコテのラテン調ではなく、いい感じのオーソドックスな味わいのジャズ。冒頭の一曲はなんとズートを外してワンホーンなのだが、待ってましたと言いたい自然な形でフラーのトロンボーンが味わえる。編曲などに頼らない自然なアドリブこそ彼の魅力なのだ。いつもと変わらないズート・シムスもいい感じのリラックスした作品。ジミー・メリットのベースもメッセンジャーズのソロを思い起こさせるフィーリングがあってなかなか楽しい。(しげどん)
トミーフラナガンが良い。特に2曲目のベサメムーチョのフラーの演奏を支えるメロディアスなピアノの呼応は素晴らしい。ズートシムズのテナーソロの合いの手とは異なる表現で、曲全体の質を飛躍的に高めている。このセッションは、各曲にはボサノバ やサンバの影響があるが、アルバム全体としては、やや散漫としてトータルの表現力に欠ける。(ショーン)
Kenny Dorham(tp),Curtis Fuller(tb),Herbie Mann(fl),Zoot Sims, Al Cohn(ts),Ahmed Abdul-Malik(oud),Ronnie Ball(p),Ben Tucker(b),Dave Bailey(ds),Ray Mantilla(perc)
ズートは冒頭の2曲にアル&ズートとして参加。最後の曲Wee Dotではドーハム、フラーとの3管セクステットで盛り上がる。ほか、ドーハムとハービー・マンをフューチャーした曲やアーマッド・アブダリ・マリクのウードをフィチュアーした曲などもあり、全体的に楽しいバラエティに富んだ雰囲気が続くライブ盤。(しげどん)
Marcus Belgrave(tp),Roland Alexander, Zoot Sims(ts),Mal Waldron(p),Teddy Charles(vib),Kenny Burrell(g),Addison Farmer, Eustis Guilemet(b),Charles Persip, Ed Shaughnessy(ds)
渋い歌声が魅力的なベティ・ブレイクの作品だが、参加ミュージシャンは完全に伴奏者に徹しており、一部メロディを飾る絡みをみせる程度でソロらしいソロは聴かれない。ズートは3曲に参加しているが、同様の扱いで、豪華な伴奏陣なのにもったいない。あくまでも彼女のボーカルを味わう作品だ。(しげどん)
・新宿ジャズ談義の会 :ズート・シムズ CDレビュー 目次
・Zoot Sims CDサイド参加 ③・・・このページ