Wes Montgomery おすすめCDガイド 補遺(発掘音源のページ)

ウエス・モンゴメリーの代表作から漏れたマニアックな作品や、発掘作を紹介していきます。ウエスは人気があるので、死後の発掘音源が多く商品化されています。

hand氏による熱心な聴きこみ(or買付?)により、発掘盤も順次紹介していきます。

なお、このページの作品の一部はパーソネル記載を省略させていただきました。

Wes's Best: The Best Of Wes Montgomery On Resonance

最強の発掘音源であるResonance盤は、このページでも多く紹介していますが、これはそこからチョイスされた「発掘音源のベスト盤」



In The Beginning/Wes Montgomery   イン・ザ・ビギニング/ウエス・モンゴメリー

1949年~1957年

Resonance 

おすすめ度

hand      ★★★★

新興発掘レーベルのレゾナンスの発掘盤第2弾の2枚組。Disc1は、1956年録音。レゾナンスよって、リバーサイドでのデビュー以前のウエスの像が塗り替えられている。モンゴメリー・ブラザーズやマスターサウンズを聞き、初期のウエスはサイド的なプレイが多いと思っていたのだが、意外にも期待はいい方に裏切られ、かなり弾きまくる人だったことがわかる。テナー(アロンゾ・ジョンソンという知らない人)入りのクインテットなので、名盤「フル・ハウス」の前段のような感じがする。⑩⑪は女性ボーカル(デビー・アンドリュースという知らない人) が入る。(12)キャラバンは、ギタートリオ+パーカッションでウエスの激しい演奏が聞かれる。Disc2は、①〜③が58年、④〜⑧が55年、⑨が57年、⑩〜(12)が49年の録音で、1枚目とほぼ同じメンバーで内容はいい。ただ、1に比べて録音のクオリティがやや落ちる。⑩からはメンバーも変わり古いのでかなり音が悪くなる。テナーが男性ボーカルを兼ねる。この盤のタイトルからは、超初期録音で音も悪く、資料としてのみ価値がある盤を想像してしまうが、49年の録音3曲以外は日常的に聞ける内容だと思う。49年録音によって、ディスコグラフィのデータ上はかなり前のハンプトン時代の盤に位置づけられてしまう可能性があるが、49年はおまけと考え、パシフィックの初期に置きたい盤だ。ジャケも写真ではなくイラストなので他のレゾナンス盤より地味だ。タイトルやジャケは重要だ。(hand)



Fingerpickin’/Wes Montgomery   フィンガーピッキン/ウエス・モンゴメリー

おすすめ度

hand      ★★★

「フィンガーピッキン」というCDの①~⑥が「The Montgomery Brothers And 5 Others」で、モンゴメリー3兄弟と5人の他人というあまりにあんまりなタイトル(笑)の盤。57年12月30日録音。バディ・モンゴメリー(vib)の曲を中心にしたグールプで、ウエスは1ソロイストとして参加していてソロは多くない。19歳のフレディ・ハバードの初録音盤。

⑦フィンガー・ピッキンは、同日録音でウエスをフィーチャーしたもので、「Have Blues Will Travel/ The Blues Vol.2」というオムニバス盤のためのもの。いい演奏だがハサミを入れらてしまったためかなり短い(残念)。この辺はウエス・ファンクラブさんのHPに詳しく書かれている。⑧~⑩は「Kismet」の一部だ。(hand)



Echos of Indiana Avenue/Wes Montgomery  エコーズ・オブ・インディアナ・アベニュー/ウエス・モンゴメリー

 1957年-58年

Resonance 

おすすめ度

hand      ★★★★

ウエスの存命中に発表されたライブは、リバーサイド時代は62年の「フルハウス」とヴァーブ時代は65年の「ハーフノート」の超名盤2枚だけで、68年に亡くなった5年後の73年に出たものはブート盤の名盤「ソリチュード」など65年のもので、その後発掘盤はすべて65年ものだけであった。ある意味65年はウエスの黄金時代だったのかもしれない。フルハウスを除くとリバーサイド以前はライブを聞くことができなかったウエスだが、死後40年以上たって、突如パシフィック時代、つまり故郷インディアナポリスでのライブがレゾナンス・レーベルから続々と発表された。2012年発売の第1弾が本盤だ。ブートにしては音も比較的良く、内容もジャケもいい、買って損のない盤だ。パシフィック時代のこれまでのウエス盤は、ウエスが正式にはリーダーではないものばかりで、ソロもあまりなく、買ってがっかりだった。ところが、レゾナンス盤は、リーダー盤でソロ満載なのだ。いい意味で裏切られて歓喜だ。海賊盤は初心者の誤購入を避けるために海賊盤らしいジャケにしてほしいと思うが、レゾナンスに限っては例外を認めたいと思う。というのも、発掘音源の音質にこだわり、徹底的に磨き上げて発売しているからだ。内容は57〜58年とされ明確になっていない。ブルーノートの発掘男マイケル・カスクーナも協力しているようで本格派だ。ただ。①ディアボロズ・ドリームのコミカルなテーマだけは、カッコいいと思えない。(hand)



Back on Indiana Avenue/Wes Montgomery  バック・オン・インディアナ・アベニュー

1957年頃?

Resonance 

おすすめ度

hand      ★★★★☆

50年代中後期のインディアナ録音ということしか分からないレゾナンス発掘盤第4弾の2枚組。メンバーは想定で記入されている。リバーサイドの59年10月のデビュー盤以前で、ウエスがこんなにもリーダーシップをとった録音を聞いたことがない。というか信じられない。リバーサイド以前の録音は、これまで期待を裏切られてきたが、この盤は裏切らない。1①〜⑦のカルテット演奏は本当に素晴らしい。 1④ソー・ホワットが入っているということは、マイルスの59年8月17日発表の「カインド・オブ・ブルー」以降となるので、50年代中後期というよりも末期以降ではないかと思う。1⑧〜13のオルガン入りもいい。2はギター、ピアノ、ベースのナット・キング・コールのトリオスタイルの演奏。ピーターソンも初期はこのスタイルだった。1に比べると音は少し悪いが内容は素晴らしい。(hand)



Far Wes/Wes Montgomery   ファー・ウエス/ウエス・モンゴメリー

Pacific Jazz

おすすめ度

hand      ★★★

Wes Montgomery(g),Buddy Montgomery(p),Monk Montgomery(el-b),Tony Bazley(ds:1-7),Louis Hayes(ds:8-11),Harold Land (ts:1-7),Pony Poindexter (as:8-11)

ブラザーズにしてもマスターサウンズにしても、バディのバイブが入ると、ウエスの出番を食ってしまい、ウエスを中心に聞きたいファンにはストレスになる。この盤では、バディはバイブを弾かずピアノを弾いているが、やはり何かウエスの不完全燃焼を感じる。兄弟に遠慮しているのかもしれない。ウエスのカルテット+ハロルド・ランドだったら、もっと熱い盤になったかもなー、と思ってしまう。ラスト⑧-⑪は、リバーサイドにデビューした翌59年10月の録音で、ランドがポニー・ポインデクスターのアルトに、ドラムがルイス・ヘイズに代わっている。ウエスも一皮むけた感じでとてもいい。特に⑨サマータイムは好演だ。(hand)



One Night in Indy/Wes Montgomery ワン・ナイト・イン・インディ/ウエス・モンゴメリー

Resonance 

1959年1月18日

おすすめ度

hand      ★★★★

最強発掘レーベル、レゾナンスの第3段。リバーサイドでのデビュー年1959年1月18日のインディアナポリスでのライブ。日本のヴィーナスレーベルで人気者となったエディ・ヒギンズのトリオとの共演だ。選曲も他盤とかぶらず、ヒギンズに合わせたのかもしれない。リバーサイド以降、あまり聞かれないバックに回った時のカッティングもかなりやっている。内容、音、ジャケの三拍子揃った名盤だ。レゾナンスは、パシフィック時代のライブ音源を現在まで4種6枚のCD発掘・発売してくれている。今後は、リバーサイド時代の名盤「フルハウス」以外のライブ音源を発掘してほしい。(hand)



Live at Jorgies/Wes Montgomery  ライブ・アット・ジョージーズ/ウエス・モンゴメリー

おすすめ度

hand      ★★★★

ウエスのリーダー盤のような作りだが、モンゴメリー・ブラザーズの海賊盤ライブ。セントルイスのジョージーズというクラブだ。ブートながら音はまずまず。アナログ時代は2枚に分かれていたがCD化で1枚になり、1曲が長いのも魅力。ブラザーズが目指しているのはどうもジョージ・シアリングやMJQなどの室内楽的なサウンドではないかと思う。なので、弾きまくるウエスを期待すると、期待はずれになる盤が多い。ただ、この盤はライブなので、③サマータイムなどでウエスの比較的熱いソロが聞かれる。ラストの⑥ラウンドミッドナイトはウエスの得意曲でいい感じで始まるがテーマだけでフェイドアウトし残念。



Wes's Best: The Best Of Wes Montgomery On Resonance

発掘音源であるResonance盤からチョイスされた「発掘音源のベスト盤」