WES MONTGMERY=ウエス・モンゴメリー ディスク ガイド:サイド参加作編

ウエス・モンゴメリーは、ソロギターに徹していて、わき役参加が少ないです。そこがいままでのジャズのギタリストと違うところですね。したがってサイド参加作品が少ないですが、下記の通り気になる作品をピックアップしてみました。

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タイトル下の日付は録音日です


サイド参加盤:Kismet/Mastersounds   キスメット/ザ・マスターサウンズ

1958年4月22日

World Pacific

おすすめ度

hand      ★★

Buddy Montgomery(vib),Wes Montgomery(g),Richie Crabtree(p),

Monk Montgomery(el-b),Benny Barth(ds)

特段の良さが感じられない盤。目立つのはヴァイブで、ウエスもあまり印象に残らない。(hand)



サイド参加盤:A Good Git Together/John Hendricks  グッド・ギット・トゲザー

1959年

Pacific Jazz

おすすめ度

hand      ★★★

Jon Hendricks (vo),Nat Adderley(cor),Cannonball Adderley(as),Pony Poindexter(as, vo),Wes Montgomery(g),Gildo Mahones(p),Ike Isaacs(b)

Monk Montgomery (b),Walter Bolden ds)

Jimmy Wormworth (ds)

キャノンボールもウエスも好調だ。苦手なバップボーカルのジョン・ヘンドリックス盤であることが残念(hand)



サイド参加盤:Work Song/Nat Adderley  ワーク・ソング/ナット・アダレイ

1960年1月27日

Riverside

おすすめ度

hand        ★★★★

しげどん ★★★★☆

 

Nat Adderley(cor),Bobby Timmons(p),Wes Montgomery(g),Sam Jones(b),Louis Hayes(ds)

説明の必要がないほどの人気盤。

特にタイトル曲はCMにもなったので、耳になじんでいる人も多いはず。 ウエスのギターは、ナットと同格のソロ楽器としての存在感をアピール(しげどん)

 

オスカー・ブラウンJrのカバーも大ヒット。アリナミンのCMで使われたのはこの歌入りバーション

ナットが兄キャノンボール抜きで放った最大のヒット盤。その理由は、ウエスのゲスト参加というわけではなく、タイトル曲がいい曲だったということだ。黒人霊歌のコール&レスポンスをジャズに取り入れた名曲だ。ナットは、兄弟盤以外にも、ウィントン・ケリーの「ケリー・ブルー」でもいい演奏をしているのだが、派手なプレイの兄の陰に隠れがちな地味なところがある。張り裂けるようなコルネットの音色は割と私好みの音だ。この盤は、本来、ゲストソロイストのウエスがもっと目立つかと思って聞くと、サム・ジョーンズのチェロが意外に目立っていて、盤のカラーを作っていると思う。(hand)



サイド参加盤4:West Coast Blues/Harold Land  ウエスト・コースト・ブルース/ハロルド・ランド

1960年5月17日~18日

Jazzland

おすすめ度

hand ★★★★

しげどん ★★★★

ショーン ★★★★

Harold Land(ts),Joe Gordon(tp),Barry Harris(p),Wes Montgomery(g),Sam Jones(b)Louis Hayes(ds)

さすがウエス!カッティングなどのバッキングは一切やらない。ソロの時のみ、他の管楽器奏者と同様に淡々とソロをとる。こんなクールなギタリストはいない。バリーハリス、サムジョーンズ、ルイスヘイズという東海岸のバッパーたちがイーストの雰囲気を持ち込んだウエストコーストブルース(笑)がとてもいい!(hand)

テナー奏者HALOLD LANDのアルバムにウエスが参加。全体を通して軽快な聴きやすいアルバムに仕上がっている。テナー、トランペット、ピアノそしてギターと、各ソロパートもそつなく演奏されている。ウエスは4曲目のアルバムタイトル曲も提供、好演を見せている。(ショーン)



サイド参加盤:POLL WINNERS/CANNONBALL ADDERLEY ポール・ウィナーズ/キャノンボール・アダレイ

1960年5月21日

Riverside

おすすめ度

hand   ★★★☆

リバーサイドでのデビュー直前のジョン・ヘンドリックス盤以来1年ぶりのキャノンボールとの共演。インディアナポリスでウエスを発見してリバーサイドに紹介してくれた恩人キャノンボールだ。楽しそうなオールスターズだがそれ以上のスパークは起きていない。佳作止まりだと思う。ウエスに脇役は似合わないのだ。(hand)



サイド参加盤:George Shering & Montgomery Brothes  ジョージ・シアリングとモンゴメリー・ブラザーズ

1961年10月9日

Jazzland

おすすめ度

hand   ★★★

George Shering(p),Wes Montgomery(g),Buddy Montgomery(vib),Monk Montgomery(b),Walter Perkins(ds),Armand Peraz, Ricardo Chimelis(per)

黒いウェスと白いシアリング、バイブ入りで、シアリング5になって欲しくないのに、やはりシアリングが大御所なのか、かなりシアリング5になっちゃっている。ちょい残念な結果。多分、モンゴメリーブラザーズが目指していたのはこれだった!のだろう。熱気あるハードバップを求める私にはシアリング5やMJQサウンドは眠くなる音楽。ウエスの熱い演奏が聞きたい人には全くオススメできない。(hand)



サイド参加盤:Bags Meets Wes/Milt Jackson & Wes Montgomery  バグス・ミーツ・ウエス/ウエス・モンゴメリー

1961年12月18日~19日

Riverside

おすすめ度

hand ★★★★

しげどん ★★★★

ショーン ★★★★☆

さすが、ミルトジャクソン、前作で白っぽい感じになったウェスを黒い感じに引き戻している。メンバーも、ケリー、サムジョーンズ、フィリーと最高のメンバー(hand)

ミルトジャクソンのヴィブラフォンの澄んだ音色とウエスのソフトなギターの相性は悪くない。様々な楽器とデュオセッションを組んでいるウエスだが、このアルバムのように他のサイドメンバーはシンプルな構成の方が、オーケストラが分厚く入るより、ウエスのギターワークの味が出ている。(ショーン)

 

 



サイド参加盤:The Dynamic Duo/Jimmy Smith & Wes Montgomery  ジミーとウエス/ザ・ダイナミック・デュオ

おすすめ度

hand        ★★★☆

しげどん ★★★☆

ショーン ★★★★★

このレコードはかなり以前から所有していて、二つ折のジャケットといい、ブラスセクションの豪華メンバーといい、ヴァーブがお金かけてヒットを狙ったレコードだとは思ったけど、オルガンとアレンジがいやであまり丁寧に聴いていなかった。今聞き返すとCTIの諸作ほどコマーシャルではないし充分にジャズを感じる事ができる。私のようにオルガンと過剰なアレンジが嫌いな人はいきなりフルオーケストラで始まるA面より、コンボで始まるB面から聞き始めたほうが好きになれるかも(しげどん)

ジミースミスのオルガンとウエスモンゴメリーのギターという異色デュオだが、演奏は素晴らしく、ジミーのキレ味鋭いオルガンのメロディとウエスのギターテクニックがバッチリ決まっている!オリヴァーネルソンのホーンオーケストラのアレンジとGrady Tateの勢いあるドラムがバックアップして、アルバム全体を引き締めている。ラスト曲のクリスマスチックな曲が可愛い。(ショーン)

ウエスのソロもいいし、オルガンも脂ぎっていない。ただ、ダイナミックデュオではなく、ダイナミックオーケストレーションの気がする。オリバーネルソンが張り切り過ぎなのだ。なので、なかなか愛聴盤として、オススメしにくい気がする。(hand)



サイド参加盤:Further Adventure/Jimmy Smith & Wes Montgomery  ファーザー・アドベンチャー/ジミー・スミス&ウエス・モンゴメリー

1966年9月28日,21日

Verve

おすすめ度

hand ★★★★

しげどん ★★★★

ショーン ★★★★

9月28日:Jimmy Smith(org),Wes Montgomery(g),Grady Tate(ds),Ray Barretto(conga)

9月21日:Orchestra 

ジミーとウエスは、ダイナミックデュオが有名だが、ジャズファン的には、オーケストラの少ないこちらの続編のほうがオススメだと思う。名曲、名演ぞろいの隠れ名盤。タイトルは不整合で、ファーザーリラクゼーションという感じ(笑)(hand)

ジャズ的な曲や、スタンダードも多く、日本人的にはオルガンが意外と脂ぎってないので、お勧めできる。(しげどん)



The Navy Swing/Billy Taylor  ネイビー・スィング/ビリー・テイラー

1963年11月

hand    ★★

Wes Montgomery(g),Billy Taylor(p),Ben Tucker(b),Grady Tate(ds),Clark Terry(tp)

海兵隊向けラジオ放送用録音。日本ではあまり人気がないがアメリカでは大御所のビリー・テイラーとの共演。海賊ながら音はまずまず。テイラー主導なのか、選曲はいつもと違う。ケリー・トリオのようにウエスを盛り上げてはくれないので、共演盤的な色合いだ。途中からは、私の苦手な男性ボーカルのジョー・ウィリアムスが入って元気に歌っている(笑)。