ピアノに専念することとなった時期ですが、上海での臨時公演やドイツのSWRビッグバンドなどの活動も行われています。娘、マンディ満ちるや夫タバキンとの活動が増えた時期で、現在に至ります。
・新宿ジャズ談義の会 :穐吉敏子 CDレビュー 目次
・Toshiko Akiyoshi CDリーダー作①1953-1958
・Toshiko Akiyoshi CDリーダー作②1960-1968
・Toshiko Akiyoshi CDリーダー作③1970-1976
・Toshiko Akiyoshi CDリーダー作④1976-1979
・Toshiko Akiyoshi CDリーダー作⑤1980-1987
・Toshiko Akiyoshi CDリーダー作⑥1990-1996
・Toshiko Akiyoshi CDリーダー作⑦1997-2005
・Toshiko Akiyoshi CDリーダー作⑧2006-2018・・・このページ
秋吉敏子(p), Lew Tabackin(ts,fl), George Mraz(b), Lewis Nash(ds)
タイトルどおりの「渡米50周年記念日本公演」。タバキン入りのカルテット演奏なので、メンバーを見た瞬間、タバキンがテナーをどう吹くかで、盤の成否ではなく、私が気に入るかどうかが決まると思った。タバキンがエディ・ロックジョー的に咆哮した盤、特にコンボ盤は、私好みの盤ではなくなる。①ロング・イエロー・ロード、は何とかロリンズ的に止まりで無事に通過した。しかし、②孤軍、例のヨーポン曲だが、何とこちらも好ましいことに直接のヨーポン表現はなく進んでいった。③ミンガス、は苦手なエンジンのブースターのような吹き方が出てくるが、秋吉がエレガントなソロをとるので救われる。④ソロのヴィレッジからテナー入りのレディ・リバティ、どちらもいい感じだ。⑤トリンクル・ティンクル、秋吉には珍しいモンク曲。タバキンに似合っている。⑥すみ絵、はいつもの清澄な感じよりもややスインギーに演奏される。リズムの2人によるのかもしれない。ラスト曲⑦チェイシング・アフター・ラブ、ビッグバンドで3度も演奏されている曲。タバキンのテナーは滑らかでコルトレーンのようだ。リーダー盤も含めてタバキンのカルテット盤としては一番の出来はこの盤だと思う。(hand)
秋吉敏子(p), Monday満ちる(vo)
組曲ヒロシマから独立した曲、ホープ、を秋吉のピアノで娘のマンディ満ちる、が歌った盤(作詞は、谷川俊太郎)。日英語などの2アレンジ6バージョンだけが収録されたミニアルバム(シングルCD)だ。歌詞が付いたことで、メロディの輪郭がクッキリして、記憶しやすくなったと思う。ただ、この盤が出たことにより盤「ホープ」が2種類となり、トリオ盤「ホープ」との区別が難しくなってしまった。(hand)
秋吉敏子(p), Lew Tabackin(ts,fl)
秋吉、タバキンのオシドリ・デュオ盤。常に出来不出来のない安定した秋吉に対し、タバキンの場合、腕前は抜群なので、出来不出来というよりも状況に相応しいプレイをしているかどうかだと思う。サックスもよく鳴り、テクニックもあるので、豪快で派手なプレイとなり白人ながらテキサステナー的なソロが日本ではあまり人気がないように思う。ビッグバンドでのソロは多少ロックジョー的でもあまり問題ないが、コンボ以下はある程度の抑制の効いたプレイが好まれると思う。この盤はデュオで、ピアノとの静かな会話を成立させるため、抑制の効いたテナーとなっていて好ましいと思う。(hand)
秋吉敏子(p,ldr),
Karl Farrent, Claus Reichstaller, Frank Wellert, Felice Civitareale,
Rudolf Reindl(tp),
Marc Godfroid, Ian Cumming, Ernst Hutter, Georg Maus(tb),
Klaus Graf(as,fl cl,ss), Axel Kühn(as,fl,ss), Andreas Maile(ts,fl,cl,ss), Jörg Kaufmann(ts,fl,piccolo-fl), Pierre Paquette(bs,b-cl),
Decebal Badilal(b), Holger Nell(ds), Farouk Gomati(perc),
Dagmar Claus(speaker:6)
ドイツのSWRビッグバンドが、秋吉の曲を秋吉のピアノと指揮で演奏した2枚組。秋吉的には、非常に珍しい内容。著者「エンドレス・ジャーニー」では、この演奏について本人は特にいいと思っている感じがしなかったが、私がCDを聞いた限りでは、いつもとはまた違う普通のビッグバンドとしての魅力を持ち、メンバーの秋吉へのリスペクトが感じられる好盤だと思う。ただ、まさかないと思っていた1④孤軍、のヨーポンが出てきたのには、驚くとともに、苦手による残念感が走った。(hand)
秋吉敏子, 本荘玲子(p)
クラシックピアノの本荘玲子とのデュオ盤。秋吉がクラシックを弾くわけではなく、本荘がクラシックの元曲をモチーフ的に弾き、その後に秋吉のジャズが続くという企画盤だ。秋吉自身は、練習ではよくバッハなどクラシックを弾いているらしいが、それを披露するための盤ではない。著者にジョン・ルイスが奥さんのクラシックピアノのミリアナと作った「ゴールドベルク・バリエーション」に影響を受けたと書いてある。クラシックが苦手の私にもソロピアノ盤として、意外と楽しめた。(hand)
秋吉敏子(p,ldr),
Lew Tabackin(ts,fl),
Mike Ponella, John Eckert, Joe Magnarelli, Alex Sipiagin(tp),
Dan Levine, Alan Ferber, Andy Hunter(tb), Tim Newman(b-tb),
Dave Pietro(as,fl), David Bixler(as), Tom Christensen(ts), Mark Lopeman(bs),
Paul Gill(b), Andy Watson(ds), Wilson "Chembo" Corneil(conga)
Guest:Monday Michiru(vo), 王顛(二胡), 範再(古箏), 呉暁光(大太鼓)
ジャズ・オーケストラの第9作は、生まれ故郷(中国)に錦のために解散後7年ぶりに一時的に再結成され、中国公演を行なった記録。あまりリハーサルできなかったのか、一糸乱れぬではなく、アンサンブルが0.1糸くらい乱れるのはご愛嬌だと思う。ビッグバンド作品の中では、親しみやすい盤。DVDもあるようだ。(hand)
秋吉敏子(p), Monday Michiru(vo,fl), Paul Gill(b), Mark Taylor(ds)
秋吉トリオと娘の満ちるの共演。満ちる本人も自分はジャズボーカリストではないと言っており、ジャズボーカル盤にはなっていない。しかしながら、秋吉のボーカル向きではない難曲を歌いこなせるのはこの人しかいないように思う。盤としては、ピアノのソロも多く、ジャジーだと思う。(hand)
秋吉敏子(p), Paul Gill, George Mraz, 中村 恭士(b), Mark Taylor, Rodney Green(ds)
秋吉がトリオ(ソロもあり)で、ガーシュインの「ポギーとベス」を演奏した企画盤。オリジナルを入れなくとも、テーマ演奏もソロもその合間から和のテイストが十分に感じられる。(hand)
秋吉敏子(p), 中村 恭士(b)
秋吉のピアノの集大成とも言えるソロ(一部ベースとのデュオ)の2枚組。2日間で一気呵成に録音したところ、1枚に収まらず2枚組となったようだ。冬の朝のような清々しいピアノ盤だと思う。(hand)
彼女の集大成的に、オリジナルと愛奏曲を選んで演奏。敏子さんは自身もアーティストながら、特に敬愛するアーティストたちへの想いが人一倍強く、その想いが強く感じられる。その想いを発揮したDedicationsというトリオ作品もある。(しげどん)
秋吉の集大成的な2枚組アルバムだが、とても88歳とは思えない鍵盤捌き。常に熱いもの追求する彼女らしい演奏だ。ほぼソロ演奏で、一部の曲はBASSの中村恭士との共演。私的にはBIG BANDの演奏も素晴らしいが、秋吉の魂の籠ったソロ演奏の方がやはり迫力があり、好きだ。(ショーン)
秋吉敏子(p), Lew Tabackin(ts,fl)
このコメントを書いているのは2024年12月。秋吉は12月12日に94歳になっている。この盤は、秋吉の米寿88歳を記念したタバキンとのデュオでの日本公演の2枚組。この盤以降も演奏は行われているが、録音は発売されていない。東京文化会館での昼夜の演奏の記録で、1枚目はCDで、2枚目はDVDになっている。基本的にデュオ演奏で、一部ソロピアノになっている。秋吉の自作の有名曲を中心に演奏される。タバキンのテナーは、時にワイルド過ぎて苦手に感じるが、この盤はデュオのせいか、節度ある演奏で好ましい。秋吉のMCが長めで、繰り返し聞くには妨げとなるが、ドキュメンタリーと理解するしかないだろう。(hand)
・新宿ジャズ談義の会 :穐吉敏子 CDレビュー 目次
・Toshiko Akiyoshi CDリーダー作①1953-1958
・Toshiko Akiyoshi CDリーダー作②1960-1968
・Toshiko Akiyoshi CDリーダー作③1970-1976
・Toshiko Akiyoshi CDリーダー作④1976-1979
・Toshiko Akiyoshi CDリーダー作⑤1980-1987
・Toshiko Akiyoshi CDリーダー作⑥1990-1996
・Toshiko Akiyoshi CDリーダー作⑦1997-2005
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