村上さんは大変なジャズファンで知られていますが、この本では自身のエッセイだけでなく、リバーサイドレコードのオリン・キープニューズ氏はじめ、レナード・フェザー、ナット・ヘントフなど、モンクにかかわってきた人たちのエッセイを、村上春樹さん自身が翻訳したアンソロジーです。村上春樹さんのジャズに関する思いが良くわかります。
表紙のイラストは「Portrait in Jazz」でコンビを組んだ和田誠さんで、モンクにたばこを渡しているこのイラストに描かれた日本人は誰でしょうか?
実は村上春樹さんでも和田誠さんでもありません。これに関してのエピソードも巻末に掲載されています。
また、エッセイとは別に、私的レコード案内という事で、お気に入りの5つのモンク作品を紹介してくれてます。
但し、マニアックな選盤な上、所有しているアナログ盤をもとに紹介しているので、10インチ盤や、ジャケ違いが多いので、少しわかりにくいので、現在入手できるCDデザインとアマゾンリンクを貼りましたので、参考にしてください。
村上本に記載されているジャケ写真は、入手困難なものが多く、画像をパクる訳にはいきませんので、オリジナル盤NOを記載しておきますので、ネットで検索してみてください。
②Underground
タイトルとかジャケデザインとかはモンクの反骨精神の表現!でもリバーサイド時代のような凄みはすでになく、音楽的には角が取れたリラックスして聴けるモンクのヒット・パレードです。それでもモンクらしくはあるのだけれど・・・
③We See Prestige7245(村上本では7425と記載されているが誤り)=オリジナルはPrestige7053 Thelonious Monk Quartet(下記) で、7245 We See は、その再発ジャケットで内容は同じ。本では7245 We Seeのジャケット写真が掲載されています。
⑤Miles Davis All Stars Vol.1 Prestige196 (10インチLPで、A面にBags Groove B面にSwing Spring収録。12インチではBags GrooveとMiles Davis&Modern Jazz Giants に収録されています。)
村上春樹さん紹介のものは10インチLP盤ですが、別テイクも含めて、12インチの2枚を鑑賞したほうが、この日のセッションの全貌がわかります。
マイルス・デイビス・オールスターズという題名はブルーノート盤でも使われていますが、この本で紹介されているものはプレスティジのもので、クリスマスのケンカセッションとして有名な作品です。
CDも12インチLPを復刻する形になっていますので、村上さん紹介の10インチ盤の形での入手は困難でしょう。下記ウィキペディア記事参照
←A面がクリスマスセッションとして有名なBags Groove 12インチLP(またはCD)では2テイクが収録。おれのバックでピアノを弾くな!と伝えたマイルスにモンクが激怒。その緊張感が大傑作を産んだ!?
←The Man I Love が有名。モンクは怒りのあまり、途中でソロをやめてしまう。その様子が克明に記録されているが、演奏としての迫力も凄く、ジャズの面白さを味わえる傑作レコード。
セロニアス・モンク CDレビュー目次
①リーダー作 その1 初リーダー作からリバーサイド時代前半1957年まで
②リーダー作 その2 リバーサイ時代続き 1957年~1958年
④リーダー作 その4 後期 コロンビア移籍後 1962年~63年