ソニー・クラークのサイド作の続きを紹介していきます。
1956年~57年にかけて、リズムセクションの一員としてのサイド参加作が増えてくる時期です。クラークらしいねちっこい節回しの個性がだんだん鮮明になってくる時期で、ジャズファンに人気の名盤も多くなってきます。
ソニー・クラーク ディスク・レビュー 目次
・ソニー・クラークのサイド参加作 1 ・・1955年~56年
・ソニー・クラークのサイド参加作 2 ・・・1956年~57年・・・このページ
・ソニー・クラークのサイド参加作 3 ・・・1957年~59年
Sonny Criss(as),Sonny Clark(p),Leroy Vinnegar(b),Lawrence Marable(ds)
ソニー・クリスの名盤だとされており、確かに彼らしいアルトは強く印象に残る作品なので、アルバムとしては悪くはない。でも曲の長さが短すぎて物足りない。クラークも好調だが、半コーラスだけのソロだったりと、クラーク節がでる前に終わってしまう感じだ。(しげどん)
インペリアルのソニー・クリスは、昔から内容はいいのだが、1曲が短いのが難点とされてきた。確かに4分超が2曲しかない(①4:02、⑦4:03)。①サマータイムなどクラーク向きのマイナー曲もあるのだが、どの曲もクラークのソロは基本的に1コーラス(32小節)しかなく物足りない。クリスだけ聞くなら耐えられるかもしれないが、やはり残念なセッションだ(hand)
Sonny Criss(as),Larry Bunker(vib),Sonny Clark(p),Buddy Woodson(b),Lawrence Marable(ds)
「ゴー・マン」に比べて少しだけ長い曲が増えたが、ラリー・バンカーのバイブが入ったので、クラークのソロ時間は全く伸びていない。それどころかソロなしの曲もある。残念過ぎる。(hand)
この作品もソニー・クリスの味はスタンダードのテーマ吹奏から楽しめるので盤としては悪くはない。でもこれもやはり曲数を詰め込み過ぎ。3分未満のトラックもあり、アドリブを楽しむ前にコール・ポーターの曲を聞いて終わってしまう感じだ。ヴァイブのラリー・バンカーも存在感を発揮しており、クラークの出番が少なくソロは窮屈に感じる。(しげどん)
Serge Chaloff(bs),Sonny Clark(p),Leroy Vinnegar(b),Philly Joe Jones(ds)
冒頭の寛ぎは得難い。ソニー・クラークがいい。2曲目からはバリらしいハードな音色。激しさはマリガンとアダムスの中間くらいか。(hand)
バリトンサックスの至高の名盤。ワンホーンカルテットでバリトンをここまで聴かせたアルバムはないし、私的にはバリトンサックス史上最高の一枚だと思う絶対的な名盤だ。アルバムデザインも最高だし、アナログで大きい音量で聴きたくなる一枚。ソニー・クラークはまだブルーノート時代のような節回しは抑え気味で、まだ西海岸らしいクールな印象がある。(しげどん)
サージチャロフの数少ないリーダー盤だが、バリトンサックスを、ここまで軽やかかつメロディアスに吹きこなしたその才能が、僅か33年で終わってしまったのは、本当に残念でならない。ソニークラークのピアノが道しるべの様に、サージのバリトンの豊かな音色の魅力を引き出している。メンバーの相性の良さが感じられ、気負いなく素直に聴き込める素晴らしいアルバムだ。(ショーン)
Frank Rosolino(tb),Sonny Clark(p),Wilfred Middlebrooks(b),Stan Levey(ds)
近年のロソリーノはトロンボーンの大御所になり豪快でふくよかな音色を聞かせているが、この頃はこじんまりした感じがする。クラークは西海岸から東に移る1年前の演奏で、ソロスペースは十分に与えられていて、クラーク節とまでいかないが、粘り気が出てきている。西海岸好きにはオススメ(hand)
フランク・ロソリーノのトロンボーンは流暢だが明るく饒舌で、ソニー・クラークのソロも、クラークらしくさは発揮していて悪くはないが、陰影がなくなぜか明るい。それはそれで楽しめる演奏ではある。(しげどん)
Lawrence Marable(ds),James Clay(ts),Sonny Clark(p),Jimmy Bond(b)
良質なハードバップ盤。ジェームス・クレイのテナーがワイルドだ。ジャケもクレイで、リーダーのマラブルは後ろにぼやけて写っている。ソニー・クラークは西海岸録音ながら、東っぽくなってきている。CDおまけは、ティモンズだが、これもいい。(hand)
リーダーがドラマーでタイトルとジャケットがテナー奏者ってなんだ?というわけのわからなさだが、かってはソニー・クラークが参加していたので幻の名盤とされていたのだった。ジェームス・クレイは強烈な個性を持った奏者ではないが、西海岸のロリンズとも言われたオーソドックスなテナーで、曲もスタンダードとクラークのオリジナルがバランス良く配されており、なじみやすい。(しげどん)
第一印象は、「やや落ち着きの無い演奏」だ。ジェームスクレイのテナーのキレが、いまいちのためか?ソニークラークは、このアルバムの大半で演奏しているが、存在感がそれほど感じられず遠慮気味。主役のドラムスとテナーの音が大きく録音されているというミックスバランスの影響もあり、特にバラードでの表現力に欠ける。(ショーン)
Haward Rumsey(b),Buddy Collette(fl), Bob Cooper(oboe), Sonny Clark(p), Stan Levey(ds)
いきなりのクラシカルなアンサンブルが私には耐えられない。各人のソロはいいが、短い。ソニー・クラークは12曲中4曲のみ。(hand)
オーボエとフルートのジャズと聞いただけで、堅苦しいつまらないジャズを想像したが、そこまでつまらなくはなかった、が、やはり面白くもなかった。聞き流しやすい映画音楽みたいなイメージのジャズだ。ソニー・クラークは56年録音の4曲だけに参加しており、スィング・ハウスという曲では、わずかにクラークらしいソロが聴かれる。(しげどん)
Haward Rumsey(b), Conte Candoli(tp), Frank Rosolino(tb),Bob Cooper(ts), Sonny Clark(p), Stan Levey(ds)
ウエスト・コースト的なあまり落ち着きのないサウンドが多く、あまり好感が持てない。ソニー・クラークのソロは素晴らしい。(hand)
テクニックがあっても血が通わないジャズの見本のような一枚だ。ソニー・クラークはライトハウスオールスターズへの参加を要望されても中々応じなかったらしいが、その気持ちはわかるというもの。バディ・デフランコ傘下のほうがはるかにジャズらしかった。無機質な演奏の中で情感があるのはクラークだけだ。(しげどん)
Stan Levey(ds), Conte Candoli(tp), Frank Rosolino (tb), Richie Kamuca (ts) ,Sonny Clark(p), Leroy Vinnegar(b)
西海岸ながら熱い演奏で、好感が持てる。長いドラムソロはいらないと思う。(hand)
ボブ・クーパーからリッチー・カミューカに代わっただけで、熱くスィングする一枚になった。ソニー・クラークも力演しているが、三管のフロントの中でもカミューカの名手ぶりが特に際立っている。カミューカを聴くべき一枚。(しげどん)
Sonny Rollins(ts)、Sonny Clark(p)、Percy Heath(b)、Roy Haynes(ds)
Paul Chambers(b)
東海岸録音ながら、ウェイアウトウエストの残り香を感じる。ピアノレスの成功体験を持ったからだと思う。ソニー・クラークの唯一の共演のダブル・ソニー盤ながら、リーダー盤に比べて、遠慮した演奏で、やや不満が残る。(hand)
スタンダードの扱い方はジャズ的で好きなタイプの演奏だ。ロリンズもソニー・クラークもいい感じで楽しめる。強い印象に残らないのは、曲数が多くて、盤として散漫な印象だからだと思う。(しげどん)
JAZZのアルバムとしては、多めの曲で構成されたアルバム。初期の普段着のロリンズが楽しめる。ソニークラークとの掛け合いも良い。8曲目の無伴奏の イットクッドハプントゥーユーのブロー息づかいは聴きもの。ただ全体としては、やや盛り上がりに欠け、大人しい印象。ジャケットデザインはカッコ良いのだが。(ショーン)
Hank Mobley(ts), Bill Hardman(tp), Curtis Porter(as,ts),Sonny Clark(p), Paul Chambers(b),Art Taylor(ds)
Mighty Moe&Joeのファンキーなノリでテンポ良く始まり、続くFalling in Love with Love、Bag's Grooveともモブレーとソニー・クラークの息の合った絡みが心地良い。メロディラインが美しく、無駄な音が無く、シンプルに構成されているので、聴いていて本当に心が休まる。名盤だ!(ショーン)
カーティス・ポーター畢生の作品であり、実はソロイストとしてはソニー・クラークも素晴らしい。クラークのサイド参加盤の代表的な一枚と言えると思う。(しげどん)
カーティス・ポーターという、この盤以外であまり聞かれない珍しいアルトとビル・ハードマンが活躍する。モブレーも比較的元気でいい。バグス・グルーブも楽しい。(hand)
Curtis Fuller(tb),Tate Huston(bs),Sonny Clark(p),Paul Chambers(b),Art Taylor(ds)
冒頭のブルースからカッコよく力強い演奏で、バリトンもクセがなくなめらかで聴きやすい。ボーン&バリと聞いて、なんとなく低音楽器による特殊な作品みたいなイメージがあるが、内容は極めてオーソドックスなハード・バップ。バリトンのテイト・ヒューストンの熱演が光る。彼の名前はリードセクションのメンバーとしては見たことがあるが、共同リーダー並みの扱いをされた作品はこれが唯一かも知れない。AGAINという曲で50年の彼の人生のクライマックスといえるソロが聴ける。感涙ものなのでぜひ聴くべし!(しげどん)
トロンボーンとバリトンサックスという少しマイナーな管楽器の2管編成だが、太いメロディが魅力的で良いアルバムだ。優しくてちょっと太ったBONE君と、裏表がなく男らしくて筋肉質のBARI君の二人は大の仲良し!といったところか?5曲目のagainのバラードも、骨太で芯のある大人の曲だ。全編通してピアノのソニークラークは、少し控え目に振舞っているが、最後のpick upでは、軽やかな動き鍵盤ステップを聴かせてくれる。(ショーン)
いいアルバムだ。バリのソロは少なめで、フラーとソニー・クラークが活躍する。(hand)
BNの1500番の中では地味な存在だが、実はかなり濃い内容の一枚だった。まるでジャッキー・マクリーンのようなジョン・ジェンキンスのアルトの炸裂ぶりで、ケニー・バレルがかすみがちなほど。でももちろんバレルのソロも悪くない。その上ソニー・クラークのピアノに聴くべきところが多いのだから、なんども聴き返したくなる魅力ある作品。(しげどん)
ジョンジェンキンスの意外と哀愁感の漂うアルトと、ソニークラークのメロディアスに弾むピアノ、それにケニーバレルの小気味良いフレーズのギターワークが、バランス良く絡んで、しっかりと真面目に仕上がったアルバムだが、あっさりしていて、卒なく無駄なく余韻もないという感じ。(ショーン)
きちんと聞いたことがなかった。改めて聞くと、なかなかいい盤だ。ジェンキンスの個性は、強烈ではないが、愛すべき音色だと思う。(hand)
ソニー・クラーク ディスク・レビュー 目次
・ソニー・クラークのサイド参加作 1 ・・1955年~56年
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・ソニー・クラークのサイド参加作 3 ・・・1957年~59年