ソニー・クラーク ディスク・レビュー 目次
・ソニー・クラークおすすめBEST5・・・このページ
・ソニー・クラークのサイド参加作 1 ・・1955年~56年
・ソニー・クラークのサイド参加作 2 ・・・1956年~57年
・ソニー・クラークのサイド参加作 3 ・・・1957年~59年
ソニー・クラーク(1931-1963)は、初めは西海岸でクラリネットのバディ・デフランコなどのバンドで活躍し、1957年に東海岸に進出した。「クール・ストラッティン」(1958年)が、日本独自の文化とも言えるジャズ喫茶の黄金時代(1960年代)に、とても多くリクエストされた超有名盤で、憂いを帯びたピアノスタイルも日本人には人気だ。ところが、本国アメリカやヨーロッパでは、クラーク自身があまり知られず(アンダーレイテッド)、売れた盤はなかったらしい。
正規発売されたリーダー盤がブルーノート5枚とタイム1枚の計6枚しかない。
クラークのおすすめ盤の選定は、未発表盤、海賊盤、サイド盤も含めて行い、リーダー盤から5枚を決定した。枚数が少ないこともあり、今回は3人の選盤は、ほぼ一致した。
80年代以降のCD時代に、日本での人気にアメリカも反応し、アンダーレイテッドな状況はかなり解消したらしいが、早逝した本人は知る由もない。
今回の選考で特筆できるのは、評論家さん達があまり推薦しない「リーピン&ローピン」が上位になったこと、
そして未発表作「マイ・コンセプション」が高評価となった点だと思う。
5選以外では、コルトレーン入りの「ソニーズ・クリブ」よりも、「ダイヤル・S・フォー・ソニー」の方が評価が高かった。(hand)
このページでおすすめBEST5を掲載しています。ほかのリーダー作については、全リーダー作のページを参照ください。→ソニー・クラーク全リーダー作へ
1958年1月5日
Blue Note
おすすめ度
hand ★★★★★
しげどん ★★★★★
ショーン ★★★★★
Art Farmer(tp),Jackie McLean(as),Sonny Clark(p),Paul Chambers(b),Philly Joe Jones(ds)
言わずと知れた人気盤。全4曲すべて素晴らしいが、A面の人気がありすぎる反動でB面をあえて押したくなる気持ちもあった。しかし冷静に聴くとやはりソニー・クラークらしさがにじみ出ているA面のオリジナル2曲の魅力には抗しがたい。ファーマー,マクリーンの哀愁ただようソロも曲調にもマッチしており限りなくメロディアスな名演だ。(しげどん)
言うことのないジャズの最高名盤の1枚だと思う。メンバー全員が絶好調だ。ブルー・マイナーは、もっとスタンダード化して欲しい曲。同日収録された2曲がおまけとして入っているCDがある。別CD「クインテッツ」にも収録されていて、演奏は悪くないのだが、雰囲気が違う。アナログの容量が理由だったのかもしれないが、外して正解だった。(hand)
ジャズの名盤に必ず登場する有名盤。ファーマー、マクリーン、クラークとも、兎に角そのアドリブプレイがイカす!それぞれが耳に残る素晴らしいフレーズを連発し、この偶然をテープに残してくれた事に感謝しかない。チェンバースのアルコ(弓弾き)も効果的。私ショーン的には、LPを手に持ちながら、アナログで聴く臨場感が最高だ!(ショーン)
1961年11月13日
Blue Note
おすすめ度
hand ★★★★★
しげどん ★★★★★
ショーン ★★★★★
Tommy Turrentine(tp),Charlie Rouse(ts),Sonny Clark(p),Butch Warren(b),Billy Higgins(ds)
人の死とは何と言えばいいのだろう。これがラストリーダー盤と思って録音してはいないだろう。1年後には早死にすることになると思うと甘いメロディも物悲しく聞こえてくる。一流ならざるメンバーと、BNにしては冴えないジャケからも、いい盤とは想像できないガ、聞いてみると、悪い期待が裏切られる。愛聴盤になれるオススメできる盤だ。(hand)
円熟味のあるクラークが聴ける、落ち着いた聴かせる系の名盤。①Somethin' Special の軽快なリズムと②Deep in a Dreamの憂いのあるメロディ。ピアノがいずれも味わい深く響く。最期の作品と思って聴くと、より感傷的な気分となるが、②のテナーのケベックもクラークの3日後に早世してしまうという運命の悲劇が、この曲を更に特別なものにしてくれる。(ショーン)
冒頭のSomething' Specialはクール・ストラッティン以上の曲かもしれない。アルバムとしての完成度も完璧。地味なタレンタインとラウズの熱演がこの盤を価値あるものにしているし、彼らの素晴らしさを引き出しているのはクラークの曲。もう少し生きてくれたらもっと奇跡が起きたかもしれないと思えるような、不思議な素晴らしい演奏で、ソロも粘っこいテイストから流暢に熟成しつつあるような新しい味を感じる。(しげどん)
1957年9月13日
Blue Note
おすすめ度
hand ★★★★★
しげどん ★★★★★
ショーン ★★★★★
Sonny Clark(p),Paul Chambers(b),Philly Joe Jones(ds)
全てがソニー・クラークらしさで満ち満ちている。スタンダードがクラーク臭ムンムンに染まっている。パウエル系ではあるが、パウエルにはない情感のこもったプレイに特徴がある。「BeBop」の集中力の長続きするソロは圧巻だ。「Softly as in a morning sunrise」ケリーのソフトリーとピアノ・トリオ版ソフトリーの一二を争う名演。個性が違い過ぎて私は決められない。(hand)
ソニーが炸裂!という言葉が相応しいくらい、彼の豊かで自由な感性でどの曲も演奏されている。やや雑な部分もあるが、その分リアリティとライブ感があり、自ずと引き込まれる迫力ある1枚だ。 硬派なポールチェンバースのベースラインが効いている。クールストラティンと並ぶソニークラークの代表作と言えるだろう。(ショーン)
「Softly as・・・」があまりにも有名だが、スタンダード集とはいえ、そのような唄モノだけに終始しているわけではない。ガレスピーやダメロンのバップ曲もあり、その激しさの中でのクラーク節がなんとも素晴らしい聴きどころだ。彼のオリジナルはないが、逆にピアニストとしてのクラークの個性が良くでたのではないか。ピアノトリオ永遠の名盤だ。(しげどん)
1960年3月23日
Time
おすすめ度
hand ★★★★★
しげどん ★★★★★
ショーン ★★★★★
Sonny Clark(p),Geroge Duvivier(b),Max Roach(ds)
クラークのピアノを味わうには圧倒的な迫力ある一枚。彼のオリジナル集である点がこの盤の魅力を高めているが、当時はそれが売れなかった理由なのかも知れない。アルフレッド・ライオンも、クラークのトリオ盤はスタンダード集にせざるを得なかったのだから。二曲目の「ニカ」は、「クインテッツ」、「マイ・コンセプション」でも演じられた「ロイヤル・フラッシュ」と同じ曲。いづれもお蔵入りして、ここで初めて日の目を見た。彼としてはよっぽど悔しかったに違いない。(しげどん)
ケリーで言えばアット・ミッドナイトにあたる作品か。オリジナルだけで、しかもいい曲ばかりだ。BNがチェンバース、フィリーというマイルスのリズムなのに対して、デュビビエ、ローチという、この盤以外にピアノ・トリオ盤が見当たらないリズム隊だ。タイムは、ローチの縁と思われる。このリズム隊が、BN盤とはまた違う味わいを出している要因だと思う。(hand)
Donald Byrd(tp),Hank Mobley(ts),Sonny Clark(p),Paul Chambers(b),Art Blakey(ds)
勢いのあるメンバーと勢いのある演奏が聴ける貴重なアルバム。熱い1959年がここに再現されている。ドナルドバードの冴え渡るトランペットと、ゆったり構えるハンクモブレーのテナーサックス。さらにリーダーとして、ピアノのソニークラークが全てオリジナル曲で揃え、完成度も高い!あのクールストラティンに勝るとも劣らない、オススメ隠れ名盤だ!(ショーン)
発掘盤とは思えない素晴らしさ。メンバー全員が好調なのではないか?!人間の好調不調が作品に影響するのは、プロ野球のピッチャーを見れば分かると思う。元気のないモブレーが好きな人にはいいと思えないかもしれない(笑)くらい、モブレーは絶好調だと思う。(hand)
全曲がクラークのオリジナルで、しかもそのうち5曲がタイム盤で演奏されている曲。バードはいつも通りの好演で、モブレーはいつも以上?!の好演だ。お蔵入りする理由がないが、やはり「クール・ストラッティン」がよほど売れなかったからか。一時的にタイムに移籍してしまうのも、BNでは発売させてもらえない事情もあったんだろうと思う。(しげどん)
ソニー・クラーク ディスク・レビュー 目次
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・ソニー・クラークのサイド参加作 1 ・・1955年~56年
・ソニー・クラークのサイド参加作 2 ・・・1956年~57年
・ソニー・クラークのサイド参加作 3 ・・・1957年~59年