ミルトの後期は、前期に引き続き、サイド盤や共同リーダー盤、ジャムセッション盤など、多数に参加しています。最後にピーターソン、レイとのヴェリー・トール・バンドでの素晴らしい録音を残して旅立っています。
→ミルト・ジャクソン サイド参加作&共同リーダー作レビュー 1へ
→ミルト・ジャクソン サイド参加作&共同リーダー作レビュー 2へ
→ミルト・ジャクソン サイド参加作&共同リーダー作レビュー 3へ・・・このページ
1978.1.18
Pablo
おすすめ度
hand ★★★★
しげどん ★★★★
Milt Jackson(vib),Count Basie(p),Lyn Biviano,Pete Minger,Sonny Cohn,Wayman Reed(tp),Bill Hughes,Dennis Wilson,Fred Wesley,Mel Wanzo(tb),Bobby Plater,Charlie Fowlkes,Danny Turner,Eric Dixon,Kenny Hing(sax),Freddie Green(gr),John Clayton(b),Butch Miles(ds)
ベイシー ・オーケストラとミルトの共演。売れたのかVol.2まで出ている。録音技術にもよると思うが、大オーケストラにバイブが全く埋没することなく、いい感じのビッグ・バンド演奏になっている。曲のせいか、ミルトの演奏が若干ライオネル・ハンプトン的なスイングスタイルになっていると思う。78年のベイシー がライブでもないのに旧曲ばかりやるのは、ミルトと急遽共演だからなのか?聞く方にはわかりやすいのだが…ミルト・プレイズ・ベイシー・ヒッツ・ウィズ・ベイシー・オーケストラのような盤になっていて、プラス感はあまりない。(hand)
ジャズ聴き始めのころ、新譜で出たこの盤を図書館で借りて聴いた。私にとってベイシーはその後聴いた往年の名作よりこの盤が最初の出会いだったかもしれないとにかく懐かしい盤。全般的にリラックスした良い雰囲気で、今でもゆったりとした気持ちで楽しめる一枚。(しげどん)
1980.1.21
Pablo
おすすめ度
hand ★★★★
Joe Pass(gr),Milt Jackson(vib),Ray Brown(b),Mickey Roker(ds)
グループとしてのクオドラントの3年ぶりの第2作はエリントン集。前作「クオドラント」はグループ名か作品名かはっきりしなかったが、今回は明らかにグループ名だ。内容も4人の緊密度が高まっていると思う。緊密度は高いが、緊張感はあまりないくつろぎのあるエレガントな演奏だと思う。今のところ第3作は出ていないが、パブロの大量録音なので、ライブ音源などがあるかもしれない。(hand)
1981.7.17
Pablo
おすすめ度
hand ★★★
Dizzy Gillespie(tp,conga,vo),James Moody(as,ts,fl),Milt Jackson(vib),Ed Cherry(gr),Mike Howell(b),George Hughes(ds)
1981年モントルー・フェスに出演したディジーの2枚組。ミルトはジョン・ルイスらとディジーのビッグバンドに在籍したことがきっかけでMJQを結成しているので、ディジーは師匠格にあたる。ディジーのレギュラーバンドにミルトがゲスト参加した形だと思う。ディジーのオリジナル中心だが、エレベとギターとドラムによって、フュージョン的な演奏になっている。ミルトはいつもどおりの余裕の演奏だ。サブタイトルに、プレイズ&ラップスとなっているが、演奏にラップがあるのではなく、MCを会場とのラップととらえているようだ。ディジー作のラスト曲2⑤オリンガは、ミルトも吹き込んでいる曲だが、会場も巻き込んで16分超のゴスペルコーラスのようになる。(hand)
Oscar Peterson(p),Milt Jackson(vib)
ピーターソンとミルトのデュオで、ありそうでこれしかない盤。同じ楽器のチック・コリア&ゲイリー・バートンのクリスタルでサイレントな感じとは全く異なり、メロディアスでスインギーな感じの盤だ。(hand)
Milt Jackson(vib),J.J. Johnson(tb),Ray Brown(b),John Collins(gr),Tom Ranier(p),Roy McCurdy(ds)
ミルト、J.J.、レイの3人の共同リーダーと仲間たち(カンパニー)の盤。割と聞きやすい、張り切り過ぎず、大人の落ち着きのある盤だと思う。ラスト⑦ジャンピンブルースだけは少し熱い。(hand)
1990.11.10
GML
おすすめ度
hand ★★★
Milt Jackson,増田一郎(vib),塚原小太郎(p),浅見嘉則(b),佐藤節雄(ds)
増田一郎のGML第2作。今回は増田との双頭盤でメンバーは日本側で、ピアノの塚原小太郎らだ。塚原は、ジョン・ルイスよりも、ピーターソンやモンティに近い感じか。自盤よりも遠慮していると思う。中央左にミルト、中央右に増田が配置されているが、真面目に聞いていないと聞き分けられないと感じた。(hand)
1996.10.1
Telarc
おすすめ度
hand ★★★☆
④⑤Oscar Peterson(p),Milt Jackson(vib),Ray Brown(b),Lewis Nash(ds),Herb Ellis(gr)
ピーターソンが亡くなった訳ではなく、脳溢血から復活したピーターソンにトリビュートということで、ピーターソン本人も含め豪華な仲間たちが集まったタウンホールでのライブの記録。ミルトは④バグスグルーヴと⑤ウィローウィープの2曲に参加。快調なプレイで盟友ピーターソンの復活に花を添えている。(hand)
1998.11.24-26
Telarc
おすすめ度
hand ★★★★
Oscar Peterson(p),Milt Jackson(vib),Ray Brown(b),Karriem Riggins(ds)
最晩年の共同リーダー作品はテラークから。テラークは、ピーターソンとレイの盤は多いが、ミルトも所属したのかは不明だ。ベリー・トール・バンドという名前では37年ぶりの再演ライブ。次作「ホワッツ・アップ」は同日の録音。ピーターソン=ミルト=レイという巨匠トリオに無名のカリエム・リギンズという組合せ。巨匠3人のいつまでも若々しいプレイと多少荒削りなリギンズのドラムがいい具合に融合して、いい盤に仕上がっている。調べてみると、リギンスは2019年の大西順子「ジャトロイト」にも入っていた。(hand)
1998.11.24-26
Telarc
おすすめ度
hand ★★★★☆
Oscar Peterson(p),Milt Jackson(vib),Ray Brown(b),Karriem Riggins(ds)
現時点でのミルトの最終盤は、前作「ベリー・トール・バンド」と同日ライブ録音。残り物なのかもしれないが、これはこれで充実した内容だ。テラーク盤なので音もいい。ミルトは翌99年10月9日に79歳で亡くなっている。11ヶ月後に亡くなるとは思えない元気な演奏だ。レイ・ブラウンは2002年に75歳で、ピーターソンは2007年に82歳で亡くなっている。カリエム・リギンスの溌剌としたドラムが刺激になったのかもしれないが、老マイスター3人の衰えを感じない最後の録音は本当に素晴らしい。(hand)