・新宿ジャズ談義の会 :マイルス・ディビス CDレビュー 目次
・Miles Davis マイルス・ディビス おすすめBest5
↓これ以降はエレクトリック期
・Miles Davis CDリーダー作 ⑧・・・このページ
エレクトリック・マイルスの前期=ロック期の後半です。エレキギターとキイボートで音の洪水を作ってきたマイルスですが、この時期から徐々にキイボートは外してギター中心のシンプルな音作りに変貌します。そして、怒涛の来日公演(「アガルタ」&「パンゲア」=アガパンと言うようです。)の記録を残して、一旦引退してしまいます。(hand)
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・Miles Davis マイルス・ディビス おすすめBest5
↓これ以降はエレクトリック期
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マイルス後期はエレクトリック・マイルスと総称されるが、「イン・ザ・スカイ」から「アガルタ」と「パンゲア」までの前期と、引退から復活した「ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン」以降の後期で、同じエレクトリックではあっても違う音楽に聞こえた。前期はロック期、後期はポップ期とでも言うべき印象の違いだ。元々、復活後は同時代的に多少聞いていたので、ロックが濃い前期が克服できるかが鍵だった。昔、ロックを聞いていたので、音楽としては特段の違和感なく聞くことはできたが、この音楽を愛好するか、愛聴盤になるかというと、老齢化していく身にはやはりヘビー過ぎてつらいと思った。ただ、今回、違和感は多少解消したので、たまには聞く可能性は出てきたと思う。(hand)
Miles Davis(tp), Gary Bartz(as,ss), Steve Grossman(ss), Wayne Shorter(ss), Chick Corea(el-p), Keith Jarrett(el-p,org), Chick Corea(el-p), Herbie Hancock(el-p), Joe Zawinul(el-p), John McLaughlin(gr), Khalil Balakrishna(el-sitar), Dave Holland(b), Michael Henderson(el-b), Ron Carter(b), Billy Cobham(ds), Jack DeJohnette(ds), Airto Moreira(perc), Hermeto Pascoal(ds,whistling,vo,el-p)
6枚組「セラードア・ライブ」としてその後出されるキースの活躍するライブ音源を、スタジオ音源で挟む形でテオ・マセロが編集して作った2枚組。遂にトランペットもエレクトリック化し、全てではないがワウワウトランペットが聞かれるようになる。リズムはロックだが、キーボードとパーカッションにはフリージャズを感じた。「オン・ザ・コーナー」もそうだが、小さな音量で聞いても理解しにくいものだと思う。ただ、家のオーディオで音量を上げて聞くのは、かなり勇気のいる爆音音源だ。(hand)
Miles Davis(tp), Dave Liebman(ss), Carlos Garnett(ss,ts), Bennie Maupin(b-cl), John McLaughlin(gr), David Creamer(gr), Chick Corea(el-p), Herbie Hancock(el-p,syn), Harold I. Williams(org,syn), , Colin Walcott(el-sitar), Khalil Balakrishna(el-sitar), Badal Roy(tabla), Ron Carter(b), Harvey Brooks(b), Dave Holland(b), Michael Henderson(el-b), Billy Hart(ds), Jack DeJohnette(ds), Mtume(perc)
ファンク・ロックの様相となったマイルス・ミュージック。ますます聞くのが辛くなってきたが、ランナーズハイの訪れを待って聞き続けた。ギターのカッティングとハイハットシンバルの目立つ①から始まる。やっと出てきたマイルスはワウワウトランペット。それにしても重たいファンクだ。私が若い頃聞いていた、1980年前後のフュージョンは、マイルスと比べればライト・フュージョンとでも言うべき音楽だったと思う。ただ、正直なところ、単調なリズムの長時間の繰り返しはグルーヴと興奮を導くためだと思うが、私は眠くなるだけだった。(hand)
Miles Davis(tp), Carlos Garnett(ss,ts), Cedric Lawson(el-p,syn), Reggie Lucas(gr), Khalil Balakrishna(el-sitar), Badal Roy(tabla), Michael Henderson(el-b), Al Foster(ds), Mtume(perc)
ニューヨークのフィルハーモニックホールでのライブ。「オン・ザ・コーナー」の直後で激しいファンク&ロックの音楽性は継続しているがメンバーはかなり交替している。キイボードが減り、レジー・ルーカスが加入し、ギター重視に変わりはじめた時期だと思う。ハンコック、チック、ザビヌル(ゲスト)、キースなどその後、ビッグネームとなったキイボード奏者が退団した後は、復活後も含めて、ギターが中心的なコード楽器となり、鍵盤楽器は、弾きまくるキイボードではなく、ストリングス的に活用できるシンセのみになっていったと思う(ジョージ・デュークなど一部例外はある。)。有力なソロイストがいないので、マイルスのワウワウトランペットがやたら目立つ盤になっている。(hand)
Miles Davis(tp,org), Dave Liebman(ss,ts,fl), Azar lawrence(ts), Reggie Lucas(gr), Pete Cosey(gr), Dominique Gaumout(gr), Michael Henderson(el-b), Al Foster(ds), Mtume(perc)
コンガの強烈なラテン・ロックから始まる。やはりジャズは感じない。ロックギター3台のまさにロック中のロック。ただしボーカル代わりにマイルスという構造は変わらない。すごいロックだとは思うが、愛聴盤にはならない。(hand)
Miles Davis(tp,org), Steve Grossman(ss), John Stubblefield(ss), Carlos Garnett(ss), Dave Liebman(ss,ts,fl), Sonny Fortune(fl), Wally Chamters(hca), Keith Jarrett(el-p), Chad Lawson(el-p), Herbie Hancock(clavinet), Pete Cosey(gr), Reggie Lucas(gr), Dominique Gaumout(gr), John McLaughlin(gr), Cornell Dupree(gr), Khalil Balakrishna(el-sitar), Badal Roy(tabla), Michael Henderson(el-b), Al Foster(ds), Billy Cobham(ds),Bernard Purdie(ds), Mtume(perc), Airto Moreira(perc)
「オン・ザ・コーナー」では、ファンク・ロックを感じたが、この盤にはプログレを強く感じた。それも、クリムゾンやフロイドなど難解系のプログレだ。アナログA面全体にわたる①ヒー・ラブド・ヒム・マッドリーはこの録音(74.6.19or20)の直前に亡くなったエリントンに捧げた曲。雰囲気のある演奏とは思ったが、特段の感動はなく、マイルスの生涯にわたるファンにはなれないと思った。2枚目は、アル・フォスターが共通だからかもしれないが、80年代復活後のマイルスと似た印象を持った。(hand)
Miles Davis(tp,org), Sonny Fortune(as,ss,fl), Pete Cosey(gr), Reggie Lucas(gr), Michael Henderson(el-b), Al Foster(ds), Mtume(perc)
中山康樹氏のススメに従い、録音順とは逆に「パンゲア」→「アガルタ」の順に聞いた。アガルタの方が明るいロック盤、特にコージーのギターがロック度が高いと感じた。想像していたおどろおどろしさは全くなく、クリアなロックミュージック、ただし唄なし、というところだろか。若い頃に聞いていれば夢中になれたかもしれないが、今聞いて思うのは、悪くないかな、というくらいだった。中山氏が『マイルスを聴け!』というのはまさにマイルスを聴くのであって、ジャズを聴くのカテを超えているという意味だと理解した。ソニー・フォーチュンのフルートが多用されているのは意外だった。マイルスにインド楽器は違和感ないが、フルートやハープは「ルグラン・ジャズ」以外ではないものと思っていたので。(hand)
Miles Davis(tp,org), Sonny Fortune(as,ss,fl), Pete Cosey(gr), Reggie Lucas(gr), Michael Henderson(el-b), Al Foster(ds), Mtume(perc)
40年以上、ジャズファン、マイルスファンをやってきて、「アガルタ」&「パンゲア」ともに、今回、初めて聞いた。いつも「ビッチェズ・ブリュー 」で止まってしまい、その先には箸が進まない状況だったのだ。復活後の「ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン」以降は多少同時代的に聞いていたので、「アガルタ」&「パンゲア」が最も遠いところにあった。横尾忠則のジャケもそうだが、ここに至る「ライブ・イヴィル」などのおどろおどろしいジャケもとてもジャズ盤には思えなかったこともある。本盤に初めて針を落としてみた(CDのプレイボタンを押した)。41分超のCD1枚1曲の①ジンバブエは、リズムギターとドラムのロックの雰囲気でスタートする。そしてマイルスが登場してもリズムは変わらない。マイルスとソニー・フォーチュンがロック環境の中でジャズアドリブを吹く。そんな印象だ。評判のいいピート・コージーのギターソロはロックとしか思えなかった。同じく2枚目も1枚1曲で2①ゴンドワナはフォーチュンのエキゾチックなフルートソロから始まる。テーマなのかソロなのか判然としないが関係ないのだろう。マイルスのソロはややロックギターっぽいが、フォーチュンのソロがフュージョンではなくジャズ感が強いことが私には救いだ。印象としては、想像していたようなおどろおどろしさはなく、意外にもクリアでピュアな音楽であった。キイボードがいないことが関係しているのかもしれない。(hand)
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