このページでは前ページに続き1959年のサイド参加作をご案内します。この時期のサイド作品が重要な理由は、モーガンの全盛時期とも言えるこの1959年は、完全な正式なリーダー作はひとつもない(編集盤などは除いて)ので、サイド作で聴くしかないからです。この時期リー・モーガンはやたらと吹き込みが多いのに、なんと正式なリーダー作はひとつも不思議ですね。
1958年2月に名盤Candyの2回目のセットを収録した後、1960年2月のVee Jay盤までリーダー作がありません。ジャズ・メッセンジャーズへの加入が1958年後半だったので、そちらの方に主な活動の軸足を移してしまったのかもしれません。でも残されたサイド参加作の演奏は当然ながら優れたものが多いです。
1958年2月に名盤Candyの2回目のセットを収録した後、1960年2月のVee Jay盤までリーダー作がありません。ジャズ・メッセンジャーズへの加入が1958年後半だったので、そちらの方に主な活動の軸足を移してしまったのかもしれません。でも残されたサイド参加作の演奏は当然ながら優れたものが多いです。
リー・モーガン ディスクガイド 目次 Lee Morgan おすすめCD 案内
→リー・モーガン リーダー作 ① (前期) デビューから60年までBlue Note 前期
→リー・モーガン リーダー作 ② (後期) 62年以降 サイドワインダーなど
→リー・モーガン リーダー作 ③ (後期)67年から最終作品まで
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ① 56年~57年 ブルートレインなど
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ② 58年~59年 メッセンジャーズ時代
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ③ 59年 メッセンジャーズ 訪欧ツアーなど・・・このページ
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ④ 60年 引き続きメッセンジャーズ主体
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑤ 61年~63年 3管JM ライブ・イン・ジャパンなど
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑥ 64年~66年 マクリーン、モブレーなどと共演
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑦ 67年~72年 コテコテ系もあり
Lee Morgan(tp),Barney Wilen(ts、ss), Bobby Timmons(p),John Rodriguez, Tommy Lopez, Willie Rodriguez (perc) ,Jimmy Merritt (b) ,Art Blakey(ds)
仏映画「危険な関係」のサントラ。仏レーベルのフォンタナ盤だが、録音はニューヨーク。仏テナーのバルネ・ウィランが参加している。「殺られる」と違い1曲ずつがきちんと演奏され、通常盤としても楽しめる。タイトルのデューク・ジョーダンの名曲、危険な関係のブルースがラテンなど色々な形で楽しめるのもいい。(hand)
Wynton Kelly(p),Lee Morgan(tp),Wayne Shorter(ts),Paul Chambers(b),Philly Joe Jones(ds)
大好きなケリーの絶頂期の盤なのだが、何度気持ちを新たに聞いてもいい盤と思えない。原因は不明だ。モーガンに関していえば、ミュートの多用で、彼独自のブリリアントな音色をあまり出せていないのが残念な点かもしれない。ショーターもあまりいいとは思えないし、リーダーのケリーもキラメキを感じない。(hand)
とにかく、若きやんちゃ坊主のリーモーガンがハッスルしているノリと勢いのあるアルバム。ドラムのフィリー・ジョー・ジョーンズの煽りも素晴らしく、ベースのポールチェンバースの弓でベースを奏でるアルコも楽しめ、万人にオススメ出来るアルバムだが、リーダーのケリーの影が薄い。(ショーン)
ウエインショーター色が強く、ケリーとしてのジャズっぽい個性が発揮されていないように思う。ショーターのオリジナルMama"G"は、その後Nelly Blyとタイトルを変えてジャズ・メッセンジャーズのライブでしばしば演奏した曲。 来日時の1961年のライブでも演奏した。(しげどん)
1959年8月25日 Savoy
hand ★★★★
しげどん ★★★★
Curtis Fuller(tb),Lee Morgan(tp),Benny Golson(ts),Wynton Kelly(p),Paul Chambers(b),Charlie Persip(ds)
ジャズテットといえば、ファーマー=ゴルソンで、フラーは3番手のところ、フラーをトップにしただけでなく、ファーマーをモーガンにしてしまった盤。全員標準以上の出来でハードバップ盤として悪くないが、キラーチューンがないのが残念。この後、モーガンを抜いて、フラー=ゴルソンのブルースエットは、ファイブスポットアフターダークが入って大ヒットした。特に日本人に受けた。(hand)
ジャズテットのほかの諸作とは方向性が違う作品だ。ジャズテットはてっきりゴルソンとファーマーの双頭バンドでスタートしたと思っていたが、このアルバムが第一弾だった。フラーはすぐにジャズテットから離れてしまうが、自分の音楽的主張と乖離があったのかもしれない。この作品ではゴルソン的な要素は少なく、フラーはオリジナル曲も提供していて、オーソドックスなハードバップ盤になっている。私にはこの作品の方がその後のジャズテット諸作よりも良く感じる。リー・モーガン、ウィントン・ケリーというスター級のサイドマン参加も魅力をアップさせている。(しげどん)
テナーサックス、トロンボーン、トランペットの3管揃い踏みの本盤は、豪華キャストで、粒揃いの曲が続き、安心して聴ける反面、演奏パターンがやや画一的で、真面目な印象を受ける。①It's alright with meチャーリー・パーシップのドラムの勢いが全てだ。この速さは、モーガンにはジャストなスピードで、最も生き生き演奏している。②Wheatleith Hall管楽器のそれぞれのソロは、滔々と流れる川の様に続く。ややもすると飽きてしまいそうだが、ウィントンケリーのピアノが、心地よいアクセントとして、14分に及ぶ大作を引き締めている。③I'll Walk AIone一転してゆったりとしたバラード。テナーとトロンボーンの呼応が、心に落ち着きを与え、リーモーガン のトランペットで、火がつき盛り上がる。完成度の高い良い曲だ。④Arabiaメロディラインが、その名の通りアラビアンな異国風の曲。ベニーゴルソンのテナーが素晴らしく、曲の体幹を支えて、雰囲気を醸し出している。⑤Judy's Dilemma3管ハーモニーから始まり、曲半ばからは、切れ味の鋭いモーガンのトランペットが冴え渡る。(ショーン)
Lee Morgan(tp),Wayne Shorter(ts),Wynton Kelly(p), Paul Chambers(b), Jimmy Cobb (ds)
ドラムがフィリーからコブに変わっただけで、「ケリー・グレート」と兄弟のようなアルバム。従って、私的にはあまりいい盤とは思えない。唯一、毛色の違うラスト⑥マック・ザ・ナイフ(モリタート)は、ロリンズの超名演には全く対抗できていないが、軽めで親しみやすい演奏ではある。ショーターもプロデューサーも、成功したと思えなかったのか、次の盤「セカンド・ジェネシス」はメンバーを全取っ替えしている(笑)。(hand)
Lee Morgan(tp),Wayne Shorter(ts),Walter Davis Jr. (p),Jimmy Merritt(b), Art Blakey(ds) ,Dizzy Reece(perc)
ショーターの初加入録音なのだが、発表は1981年と録音の22年後。タイトルから想像するのは、ブレイキーのアフリカドラムの盤だが、実は普通のJM盤だ。名曲レスター・レフト・タウンの初演が聞かれるなど、聞く価値ある盤だと思う。ショーターはヴィージェイの初リーダー盤やケリー盤よりも私にはかなり好感が持てる。ピアノは、ティモンズがキャノンボールに行ってしまい、仮か正式かわからないが、ウォルター・デイビスが参加している。デイビスの曲も1曲あるので正式なのかもしれない。(hand)
Lee Morgan(tp),Wayne Shorter(ts),Walter Davis Jr. (p),Jimmy Merritt(b), Art Blakey(ds)
JMは58、59、60年と3年連続して秋から冬にヨーロッパツアーをしている。58年は「サンジェルマン」、「オランピア」が有名だ。翌59年は「パリ・コンサート」、バドがゲストの「パリ・ジャム・セッション」で知られる。59年は、ショーター加入後のJMのヨーロッパツアー。ピアノにはウォルター・デイビスが入っている。海賊盤らしい音だがギリギリ楽しむことはできる。ショーターがブレイキーに煽られ熱いソロを吹いているのが好ましい。④チュニジアのモーガンのソロは、まさに炸裂しているという感じだ。(hand)
1959年11月14日
55
hand ★★★☆
しげどん ★★★☆
Lee Morgan(tp),Wayne Shorter(ts),Walter Davis Jr. (p),Jimmy Merritt(b),Art Blakey(ds)
ショーター加入後のヨーロッパツアーの海賊盤2枚組。音が少し悪いが、メンバーの元気度はかなり高い。ゴルソン的な曲の中に、ショーター曲が混じり、過渡期感があるが、違和感なく溶け込んでいる。ピアノは、ティモンズがキャノンボールに行ってしまい、仮か正式かわからないが、ウォルター・デイビスが参加している。(hand)
1959年の欧州ツアーの記録で2枚組。1枚目はライブなのでおなじみのレパートリーばかりと思いきや、強く印象に残るのは「Kelly Great」で演じられたショーター、モーガンのオリジナルだ。ライブのレパートリーとして何度も演奏したのだろうか?このライブはKelly Greatの録音の3か月後なので聴衆はほとんど知らない曲だったのだろう。あたらしいジャズ・メッセンジャーズを模索する姿が垣間見える。そして2枚めはやはりファンサービスのおなじみレパートリー大会で楽しめる。(しげどん)
1959年11月15日
RCA
おすすめ度
hand ★★★★
Lee Morgan(tp),Wayne Shorter(ts),Walter Davis Jr.(p),Jymie Merritt(b),Art Blakey(ds)
モーガン、ショーターのフロントに、ピアノはウォルター・デイビス。昔聞いたときは、モーニンなどのヒット曲がなく物足りなく感じた。今はどうか。ショーターは加入したばかりだが存在感があり、モーガンは絶好調、デイビスもあまりファンキーではないが割と馴染んでいる。選曲もファンキー一辺倒からモーダルなど新しい雰囲気もあり決して悪くない。59年のヨーロッパツアーの代表的な盤だと思う。(hand)
1959年11月23日
Diw
おすすめ度
hand ★★★☆
Lee Morgan(tp),Wayne Shorter(ts),Walter Davis Jr.(p),Jymie Merritt(b),Art Blakey(ds)
59年の発掘盤でストックホルムのコンサート録音。テナーがショーター、ピアノがウォルター・デイビス。ところで、「イン・ストックホルム1959」という盤は2種類ある。赤黒ジャケ白抜き文字が1959年11月23日ストックホルム録音のJMライブで、ピンク青ジャケ白抜き文字のほうは1960年の間違いだ。①クローズユアアイズは、発掘スタジオ盤「ジャスト・クーリン」と同様じアレンジで好印象だ。ショーター加入前なので、誰のアレンジなのだろう?モーガン、モブレー、ティモンズの誰かだとは思うが、わからない。(hand)
1959年11月29日
1962年2月4日
New Sound Planet
※入手困難盤につき、リンクはありません。
おすすめ度
hand ★★☆
1959:Lee Morgan(tp),Wayne Shorter(ts),Walter Davis Jr.(p),Jymie Merritt(b)
,Art Blakey(ds)
1962:Freddie Hubbard(tp),Curtis Fuller(tb),Wayne Shorter(ts),Ceder Walton(p),Jymie Merritt(b),Art Blakey(ds)
59年の録音は海賊盤中の海賊盤という感じでかなり音が悪い。アナログ海賊盤をCD化した可能性がある。内容は素晴らしいので残念だ。62年の録音も音が悪い。(hand)
この時期の欧州ツアーライブは、海賊盤としての発掘音源が多く、入手困難なものが多い上に、記載データの誤りなどもあります。
その合間に正規録音のライブもあるので、似たようなタイトルのものも多く、ややこしいのでこのホームページで取り上げた盤を一覧にまとめました。
特に記載がないものは、サイド盤③(このページ)にレビューを掲載しています。
編集盤 Live In Europe 1959/Art Blakey
↑この盤は、下記①から2曲、④から3曲、⑤から1曲、いずれも1959年の録音を収録したもので、各盤に比べて入手容易です。
全部聴かなくてもよいという方におすすめ。
1959年11月5日
Royal Jazz
1959年11月14日
55
1959年11月15日
RCA
1959年11月23日
Diw
1959年11月29日
1962年2月4日
New Sound Planet
Lee Morgan(tp),Wayne Shorter(ts),Walter Davis Jr.(p),Jymie Merritt(b),Art Blakey(ds),Bud Powell(p),Barney Wilen (ts)
JMがバドをゲスト迎えたセッション。バンドとしてのまとまりはあまり感じないが、バドもモーガンもブレイキーも調子が良く、聞いていて気持ちいい。ラストのチュニジアは、ブレイキー、モーガンが大元気(hand)
やはり聴きどころはバド・パウエルとバルネ・ウィランが入ったA面で、それだけでこのアルバムの価値がある。演奏的には水準作かと思う。(しげどん)
アートブレイキーのリーダーであるがライブでのチュニジアの夜は、迫力満点。だが、他の曲のリーモーガン はやや迫力が足りない。(ショーン)
リー・モーガン ディスクガイド 目次 Lee Morgan おすすめCD 案内
→リー・モーガン リーダー作 ① (前期) デビューから60年までBlue Note 前期
→リー・モーガン リーダー作 ② (後期) 62年以降 サイドワインダーなど
→リー・モーガン リーダー作 ③ (後期)67年から最終作品まで
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ① 56年~57年 ブルートレインなど
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ② 58年~59年 メッセンジャーズ時代
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ③ 59年 メッセンジャーズ 訪欧ツアーなど・・・このページ
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ④ 60年 引き続きメッセンジャーズ主体
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑤ 61年~63年 3管JM ライブ・イン・ジャパンなど
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑥ 64年~66年 マクリーン、モブレーなどと共演
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑦ 67年~72年 コテコテ系もあり