フィラデルフィアの神童と言われたリー・モーガンのディスコグラフィーは、いきなり彼のリーダー作からはじまります。彼の初吹き込みは18歳の時で、それが同時に彼の初リーダー作になりました。それから短期間の間に目まぐるしい頻度で作品を録音しますが、その多くが水準以上の作品になっています。
実質的にはモーガンのリーダー作とは言い難いジャム・セッションのサボイ盤
リー・モーガン ディスクガイド 目次 Lee Morgan おすすめCD 案内
→リー・モーガン リーダー作 ① (前期) デビューから60年までBlue Note 前期・・・このページ
→リー・モーガン リーダー作 ② (後期) 62年以降 サイドワインダーなど
→リー・モーガン リーダー作 ③ (後期)67年から最終作品まで
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ① 56年~57年 ブルートレインなど
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ② 58年~59年 メッセンジャーズ時代
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ③ 59年 メッセンジャーズ 訪欧ツアーなど
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ④ 60年 引き続きメッセンジャーズ主体
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑤ 61年~63年 3管JM ライブ・イン・ジャパンなど
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑥ 64年~66年 マクリーン、モブレーなどと共演
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑦ 67年~72年 コテコテ系もあり
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タイトル下の日付は録音日です。
1956年11月5日,7日
savoy
おすすめ度
hand ★★★☆
Lee Morgan(tp),Hank Mobley(ts),Hank Jones(p),Doug Watkins(b),Art Taylar(ds)
モーガンの初リーダー盤のようなタイトルとジャケだが、ハンク・モブレーのリーダーセッションの一部をモーガンの売り出しに転用した盤。1曲目が①ハンクズ・シャウトでモブレーが珍しく張り切っている(笑)。この時期のモブレー盤は、誰がリーダーかわからないような盤が多いが、皮肉なことにこの盤のモブレーは張り切っていると思う。③ベットなど、モーガンも頑張ってはいるがブリリアントさがもう少しな気がする。以降、後半は、各メンバーをフィーチャーしたメドレー形式になる。④ソフトリーは、ベースのダグ・ワトキンスをフィーチャーした演奏で、モーガンとモブレーは入っていない。ワトキンスは、ポール・チェンバースのいとこ。唯一⑤P.S.アイ・ラブ・ユーはモーガンのバラードの絶品だ。⑥イージー・リビングはハンク・ジョーンズのピアノ、ラスト⑦ザッツ・オールはモブレー。この日の残りは、モブレーの「ザ・ジャズ・メッセージ・オブ・ハンク・モブレー♯2」に2曲入っている。(hand)
「俺がリーダーなのにモーガンのリーダー作にされてしまった・・」とアタマを抱えるモブレーの写真、、をジャケットにしたJAZZ MESSAGE VOL.2
この「Jazz Message 2」に、残りの2曲を収録
Lee Morgan(tp),Clarence Sharrpe(as),Horace Silver(p),Wilbur Ware(b),Philly Joe Jones(ds)
初レコーディングにして初リーダー作だが、彼の完成度はこの時点でもかなりのもの。冒頭のRoccusはホレスシルバーの曲で、ルウ・ドナの初期作にも登場した曲だが、モーガンのソロは新人らしい粗削りなところはない。同郷フィラデルフィアのアルト奏者クラーレンス・シャープも若々しく熱演。(しげどん)
言ってみれば、「リーダー見習い盤」だが、時折見せる高音域でのドキっとするフレーズやマイナー音階の効果的な使い方はやはり天才的なものを感じる。(ショーン)
Lee Morgan(tp),Kenny Rogers(as),Hank Mobley(ts),Horace Silver(p), Paul Chambers(b),Charlie Persip (ds)
名盤とされるVOL.3が、ゴルソン色が強く、モーガンのリーダー色が意外に弱いのに対し、VOL.2は、ゴルソン色も強いが、モーガン色もそこそこ出ていると思う。冒頭のウィスパーノット、JMの濃い味付けとは別のサッパリした魅力ある演奏。このアルバムの価値を高めている。レックス・ハンフリーズも大活躍している。(hand)
モーガンは若干18歳のだったが、若々しさ全開というよりも、ストーリーがある展開の陰影あるソロは、まるで何十年もやってきたベテランのよう。名曲ウィスパーノットは、この曲のベストと言える味わいがある。初期の代表作として、VOL3が有名だが、このVOL2もかなりの名盤と言えそうだ。(しげどん)
名曲Whisper Notからのスタート。リーモーガンはミュート等も駆使して、頑張っているが、その存在感は微妙だ。まだ若く他のメンバーに遠慮しているのか?リーモーガンのトランペットはメロディアスなのだが、前に出て来ない感じだ。元気いっぱいのリーモーガンが好きな私には物足りないアルバム。(ショーン)
Lee Morgan(tp),Gigi Gryce (as,fl),Benny Golson(ts),Wynton Kelly(p),Paul Chambers(b),Charlie Persip(ds)
モーガンのフレーズは天衣無縫で自由な印象を与えるが、しっかりとリズムに乗っていて本当に心地良い。Hasaan's Dreamはフルートとアルトサックスのグライスとモーガンがとにかく素晴らしく、独特の雰囲気を醸し出し素晴らしい曲に仕上げている。I remember Cliffordが泣かせる。天才の夭折を偲び、これまた同じく若くしてこの世を去るモーガンが吹いているという因果と切なさ。絶対的名盤だ。(ショーン)
一見ゴルソンのアレンジに多くを負っているように見えるが、何といっても素晴らしいのはモーガンの陰影あるトランペット。哀愁が全開で漂っていて味わい深い。一般的にはI remember Cliffordの歴史的な初演としてその哀感が買われているが、私は冒頭のHasaan'sの物語性のあるモーガンのソロが大好きで、「ブリリアント」ではなく、実は「陰影のある」モーガンだったことを最初に気づかせてくれた永遠の名演。(しげどん)
初めてHasaan's Dream を聞いたとき、アラビア風ゴルソンハーモニーのに違和感を感じたが、今はモーガンの安定感のあるソロを楽しめるようになった。グライスの艶のないアルトも悪くなく、ゴルソンの垂れ流し的なソロも嫌いではない。ケリーはまだケリー色が弱い。I remember Cliffordがこの盤を名盤に押し上げている。(hand)
Lee Morgan(tp),Curtis Fuller(b),George Coleman(ts),Ray Bryant(p),Paul Chambers(b),Art Taylor(ds)
ポールチェンバースお得意のアルコ(弓弾き)のベースが、素晴らしい演奏を予感させる「city lights」がスタートすると、モーガンは自由闊達なトランペットのアドリブプレイを展開し曲のカラーを決定づけている。また3管ハーモニーが美しい響きの最後の「kin folks」でも、モーガンは自分に与えられた枠と時間で、テクニックを駆使した印象に残るメロディフレーズを連発、他のメンバーを煽動している。とにかく良いアルバムだ。(ショーン)
自らのリーダー作のタイトル曲なのに、何でテナーソロから⁈という疑問符からスタートしてしまう。モーガン自身のソロはまずまず。ブライアントもこの手のハードバップにはあまり向いていない。(hand)
タイトルからセンチメンタルな抒情性を想像するが、実際はからりと明るいわかりやすいゴルソンハーモニーとそれに絡みつく軽やかなモーガン。まとまりあるアルバムだが、前作のような陰影あるソロの味わいにはやや欠けるか?(しげどん)
Lee Morgan(tp),Pepper Adams(bs),Bobby Timmons(p),Paul Chambers(b),Philly Joe Jones(ds)
「チュニジアの夜」を筆頭にどの曲も澱みなく炸裂し続けるリー・モーガンのアトリブの素晴らしさばかりが光輝くアルバム。モーガンについて行こうと頑張るピアノとバリトンサックスだが、トランペットが、目立ちすぎてなんとも。。文句なしのA評価としたい。(ショーン)
チュニジア。ゴルソンから離れて、アレンジから解放されてスッキリした気がする。2管の違いが際立っている。ティモンズも、ただファンキーなだけでなく学究的な雰囲気のソロをとる。フィリーも、ただ暴れるのではなく、サトルなドラムを心がけている。ラバーマンはバラードでなくミドルテンポで演奏。バリトンサックスも、タイトに演奏している。悪くない。(hand)
この作品からベニー・ゴルソンが離脱。アレンジの呪縛が解かれ、スタンダードと彼自身のオリジナルを素材によりジャズらしい奔放なモーガンが聴かれる。ペッパーアダムスとの顔合わせもおもしろい。(しげどん)
Lee Morgan(tp),Sonny Clark(p),Doug Watkins(b),Art Taylor(ds)
二管三管が多いモーガンなので、ワンホーンで彼のトランペットをゆったりと味わえる作品はこれだけ。それだけに期待して聴いたが最初の印象は地味だった。今回聴きなおして、これは彼のソロの最高の部分が充分に堪能できる作品であり、最高作と思えるようになった。聴くほどにモーガンのソロが味わい深く感じる滋味深い作品。ソニー・クラークのサポートも素晴らしい。(しげどん)
久しぶりに聞いて、名盤だと思った。若い頃に、モーガンの唯一のワンホーン名盤という触れ込みで聞いたときは、暗いはずのモーガンとソニー・クラークの明るい演奏に違和感を感じた。明るい曲も暗く(ジャジーに)してしまうマイルスと違い、モーガンが明るい曲を明るく演奏するのが不満だったのかもしれない。今、改めて聞くと、明るい中にも、仄暗さは感じる(笑)(hand)
A1の可愛いテーマ曲に続く2曲目「since I fell for you」とB1の「all the way」のスローなナンバーが、静かに語りかけるようで素晴らしい。ソニークラークのピアノが良い塩梅で効いていて、全くハズレ曲の無いアルバムに仕上がっている。ラスト曲「personality」の高音域での張りのある破裂音はファンタスティック!(ショーン)
Lee Morgan(tp),Clifford Jordan(ts),Wynton Kelly(p),Paul Chambers(b), Art Blakey(ds)
モーガン作曲のA①②ともテーマフレーズも明快な良い曲だが、やはり高音域アドリブプレイでのファルセット感のあるモーガンの音色は艶と色気を感じる素晴らしい。B①のクリフジョーダンの後にモーガンがソロに入る瞬間は何度聴いても新鮮!最後のA③の別テイクも好演だ。(ショーン)
シンプルなハード・バップであり、オールスターキャストの個性を楽しめる作品。ブルーノートの諸作はアレンジャーの個性とか、やや作り込み過ぎで、ソロイストのモーガンが前面に出ていないきらいがあったが、この作品はケリー、チェンバース、ブレイキーといった千両役者が「らしさ」全開の自然なノリ。陰影があるモーガンにしてはミュートがやや大味な感じがする。(しげどん)
BNのプロデュースの呪縛から解放され、急に確立したミュージシャンになった感のある作品。ただ、クリフ・ジョーダンの演奏が荒い気がする。(hand)
Lee Morgan(tp) Jackie McLean(as) Bobby Timmons(p) Paul Chambers(b) Art Blakey(ds)
VeeJay盤に挟まれたBN盤。なぜかイイ。カル・マッセイのオリジナルから名盤の予感。名盤は、冒頭の空気感が違う。マッセイはコルトレーンのデビュー盤の冒頭のアフリカっぽい不気味曲の作曲者。自身のリーダー盤は、キャンディドに1枚だけのトランペッター&コンポーザー。ミュージシャンズ・ミュージシャンなのだろう。名盤「クール・ストラッティン」の空気を感じる。(hand)
モーガンとマクリーンという二つの個性のぶつかり合いが楽しめるジャズらしさ全開の一枚。ベニー・ゴルソンのアレンジの束縛から離れて自由にアドリブするモーガン。それに応じて熱演するマクリーン。2人のソロが充分に堪能できる傑作。他流試合でも主役級の活躍をしてしまうのがマクリーン。丁々発止で互角に勝負を挑めるマクリーンの個性はやはりすごい。(しげどん)
ゆったりとしたジャズで始まる当アルバムだが、変則リズム、独特の雰囲気のアレンジが効いた面白い曲が多く、モーガンは曲の意図を理解して、見事に世界観を拡げる役割を果たしている。ブレイキーの乾いたドラムに煽られるように、モーガンは斬新なフレーズで、お喋りしているように応えている。ピアノとアルトがもう少し前に出たほうがもっと素晴らしかった。(ショーン)
1960年10月13日 Lee Morgan(tp),Clifford Jordan(ts),Eddie Higgins(p),Art Davis(b), Art Blakey(ds)
冒頭アルバム題名曲の強い印象から一転して2曲目の深い哀愁と憧憬に満ちた「easy living」のリーモーガン のプレイは素晴らしい。ピアノのエディヒギンズのサポートに加え、アートブレイキーのドラムということもあり、全編通して勢いとスピード感のあるアルバムに仕上がっている。(ショーン)
Heresの姉妹品のようなアルバム。メンバーの魅力度はやや落ちるが、Easy Livingはいいです。テーマを美しく自分らしく吹けるのも一流の証。(しげどん)
安定感のある余裕の演奏だが愛着がわかない。(hand)
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→リー・モーガン サイド参加作(前期) ③ 59年 メッセンジャーズ 訪欧ツアーなど
→リー・モーガン サイド参加作(前期) ④ 60年 引き続きメッセンジャーズ主体
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑤ 61年~63年 3管JM ライブ・イン・ジャパンなど
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑥ 64年~66年 マクリーン、モブレーなどと共演
→リー・モーガン サイド参加作(後期) ⑦ 67年~72年 コテコテ系もあり
1960年4月28日 Lee Morgan(tp),Jackie Mclean(as),Bobby Timmons(p),Paul Chambers(b), Art Blakey(ds) Blue Note