・新宿ジャズ談義の会 :ジョン ルイス CDレビュー 目次
ルイスの中期・後期には、サイドマンとしての録音はほとんどなくなります。ビバップ・リバイバル的な録音がその中では目を引きます。
Art Farmer(tp), Benny Golson(ts), Thomas McIntosh(tb), Cedar Walton(p), Thomas Williams(b), Albert Heath(ds), John Lewis(comp,cond)
ジャズテットがルイスの曲をサードストリーム的に、セクステットだがルイスの指揮で演奏した盤。ピアノはシダー・ウォルトン。JM的なファンキーなバンドとも言えるジャズテットのはずが。全体に硬くかっきりした感じに仕上がっている。ルイスの「ジャズ・アブストラクション」と一部同日録音のようだ。(hand)
Sonny Stitt(as), John Lewis(p), Jim Hall(gr), Richard Davis(b), Connie Kay(ds)
ルイスやコニー・ケイが、スティットとビバップ?と正直なところ思ってしまった。この10年前ならばまだ「スティット/パウエル/J.J.」のように全く違和感はなかったが、ルイスがビバップから離れて久しく、どうなるのかと思って聞いてみると、確かにバリー・ハリスあたりの方がバップ度は高くなったかもしれないが、ルイスはルイスで意外にも元バッパーとして役割はきちんと果たしていた。ジム・ホールのビバップも珍しく、ルイスとの相性もいい。(hand)
1975.5.19 & 20
Sonet
おすすめ度
hand ★★★☆
Dizzy Gillespie(tp), Sonny Stitt(ts), John Lewis(p:①⑤), , Hank Jones(p:②-④,⑥), Percy Heath(b), Max Roach(ds)
ビバップのリバイバル盤の1枚。ディジー、スティット、パーシー・ヒースにローチという錚々たるメンバーで、ピアノはルイスが①ブルーン・ブギー、⑤オール・ザ・シングス・ユー・アー、とハンク・ジョーンズが②③④⑥が入っている。この手のジャイアンツ・オブ・ジャズ的な盤はライブ盤であることが多いが、この盤はスウェーデンのソネットがニューヨークで録音したもの。ルイスのバップピアノは悪くないが、ハンクの方がバップ度は高い。(hand)
Chris Barber, Trummy Young(tb), Pat Halcox(tp), John Crocker, Sammy Rimmington(cl), John Lewis(p), Roger Hill(gr), Johnny McCallum(banjo), Vic Pitt(b), Peter York(ds)
ニューオルリンズ・スタイルの英トロンボーン奏者のクリス・バーバーのライブになぜかルイスが参加。同名の人違いかと思ったが、裏ジャケにルイスとトラミー・ヤングの写真が写っているので間違いない。バーバーのバンドにルイスとヤングがゲスト参加したようだ。内容は基本的にオールドスタイルだが、レイ・チャールズで知られるホーギー・カーマイケルの④ジョージア、などもあり、モダンファンにも多少聞きやすくなっている。ルイスはオリジナルで完全にオールドスタイルのメドレー曲①ホーム・フォークス/タイム、を提供しているだけでなく、いつものトツトツとしたピアノを違和感なく楽しげに弾いている。(hand)
Ray Brown(b), John Lewis(p), Darwin Gross(vib), Rodney Jones(gr), Mickey Roker(ds)
アナログ時代はジョン・ルイス&レイ・ブラウン「ジャズ・ジンズ(ジャズの遺伝子?)」として出ていたが、CD化でタイトルも変わり、ブラウンのリーダー盤化した。続編「ムーンライト・イン・バーモント」も出ている。ダーウィン・グロスという知らないバイブ奏者が入っている。ダージという名でハンク・ジョーンズとの共演盤があるようだ。ブラウンはMJQ結成直前までディジー・ガレスピーのバンドでルイスやミルトと共演しており、当初はMJQメンバーになる予定だったと思われるが、正式デビュー前にパーシー・ヒースと交替している。ただ、事後に「ザ・ファーストMJQ」として発売されたミルト盤にブラウンが12曲中4曲(1951.4.24録音分)に入っている。ここでの再演は、バイブはいるがミルトのブルージーさはなくMJQ風ではない。ギターの参加と、ブラウンのグルーヴ感、そしてルイスが控えめであることも理由だと思う。アナログ時に共同リーダー盤としていたのは少々無理があったと思う。(hand)
Ray Brown(b), John Lewis(p), Darwin Gross(vib), Rodney Jones(gr), Mickey Roker(ds)
「ブルース・フォー・ジャズォ」の同日録音の続編。6曲中2曲が別テイクなのは残り物盤的な色合いが強まるはずが、残り3曲が素晴らしいので、人によってはこちらに愛着が湧くのではないかと思う。「ジャズォ」がタイトルどおりブルージーな選曲なのに対し、タイトル曲①バーモントなどがとてもロマンチックな演奏で好感がもてる盤にしている。(hand)
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