ジャッキー・マクリーンの主要作品 CD レビュー 目次
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→ジャッキー・マクリーンの主要リーダー作2(Blue Note前半 Let Freedom Ringなど) へ
→ジャッキー・マクリーンの主要リーダー作 3(Blue Note後半 It's Time など)へ
→ジャッキー・マクリーンの主要リーダー作 4(Steeple Chase時代)へ
→ジャッキー・マクリーンの主要リーダー作 5(最後期 ルネとの共演など)へ
→ジャッキー・マクリーンのサイド参加作 1 (51年~57年 直立猿人など)・・・このページ
→ジャッキー・マクリーンのサイド参加作 2(57年~59年 Cool Struttin' など)へ
Miles Davis(tp),Jackie McLean(as),Sonny Rollins(ts),Walter Bishop(p),Tommy Potter(b),Art Blakey(ds)
LPフォーマットの最初期の録音と言われる歴史的な作品。演奏的には破たんが多いアルバムだが、ハードバップ黎明期のドキュメントとして聴くと面白い。マクリーンの実質的な初録音。若干19歳でまだ未完成なスタイルで個性があまりでていないソロはなかなか興味深く聴ける。(しげどん)
※アナログオリジナルは5曲収録(Prestige7012) その後Conception/Miles Davisという名称で同日録音の2曲を加え再発(Prestige7744) 現在のCDで「Dig+2」となっているのは、この時の2曲を加えたPrestige7744と同じ内容。アナログ盤はオリジナルフォーマットを踏襲しており追加の2曲は収録されていない。
※CD世代のためのまったくおせっかいな注釈:当時レコードはSP(Standard Play)が基本で、10インチ盤78回転で片面3分前後しか録音できなかった。LP(Long Play)が登場して数10分の録音も可能になったのだが、録音媒体としては1950年代中ごろまでSPが主体であったので、LPでもSPでも発売可能なように、一曲3分前後に収めるのが常識だったが、このDigセッションでは、最初からLPフォーマットを意識した演奏の長さを採用している。おじさんたちには当たり前の事でも最近知らない人もいるので念のため・・・
Miles Davis(tp),Jackie McLean(as),J.J.Johnson(tb),
Gil Coggins(p),Oscar Pettiford(b),Kenny Clarke(ds)
マイルスの歴史的な名盤であるブルーノート初セッションは実は名盤すぎてあまり聴かれていないという説もあるが・・・とにかくマクリーンはそのオリジナル10インチでの6曲中4曲に参加。SP発売もされたので3分の制約はあるが、Dear Old Stockholm とマクリーンの自作曲Donnna(Digと同じ曲)では比較的長いソロをとり、初期のスタイルがよくわかる。一音でマクリーンとわかる特徴的なトーン。一度聴いてみてください。歴史的な名盤だから持ってない人は買っておいて後悔しないはず。(しげどん)
Miles Davis(tp),Milt Jackson(vib),Jackie McLean(as),Ray Bryant(p),Percy Heath(b),Art Taylor(ds)
ウォーキン以降の緻密な音作りに比べると、ディグ的な荒削りで、ブローイングセッション的な内容だ。それでも、さすが帝王マイルス、ミルトを緊張させて、いいプレイを引き出している。(hand)
マイルス、ミルト、レイ・ブライアントともに良いソロで愛聴に耐える水準の作品だ。でもさすがにクリスマスセッションとは格が違う。やはりあれはモンクの神通力が起こした奇跡?(しげどん)
George Wallington (p),Donald Byrd(tp),Jackie McLean(as) Byrd(tp),Jackie McLean(as),Paul Chambers(b),Art Taylor(ds)
元気のいい演奏だが、なんとなくバップ的な慌たゞしさがある。マイルスの「ディグ」の持つあの感じだ。私にはそれが愛聴盤になりにくい雰囲気に思える。⑤ジェイ・マックス・クリブは、ドナルド・バード作なのだが、ソフトリーを中途半端に解体したのがどうも気になる。コード進行だけ使ってメロディは完全変更して欲しかった。オスカー・ペティフォード作の⑥ボヘミア・アフター・ダークは、さすがに曲がいいので、この盤を引き立てている。(hand)
幻の名盤と言われていたアルバムでたしかスィングジャーナルのゴールドディスクにもなった有名盤。私は紫色の別テイク集を学生時代に買ってしまいなんだか複雑な記憶がある。バード、マクリーンの若々しいソロは味わえるので、ハードバップ的ないい作品とは思うが、ウォーリントンの影響力なども微妙な過渡期の作品でなのではないかと思う。(しげどん)
Jackie Mclean(as),J.R.Monterose(ts),Mal Waldron(p),Charlie Mingus(b),Willie Jones(ds)
言わずと知れた世紀の大傑作。実はマクリーンの代表作はこれかも知れないとまで言われるが、それも納得できる。ここでのマクリーンは、ミンガスに操られたのか?インタビューの発言からすると、パワハラ的にやらされた感もあるが、ミンガスはマクリーンの魅力を理解していて最大限に引き出したのだ。彼のソロがなければこの世紀の傑作である「直立猿人」は生まれなかっただろう、と思える素晴らしい迫力のアルト・サックスだ。(しげどん)
チャールズ・ミンガスの最高?傑作。オーネット・コールマンの「ジャズ来たるべきもの」(59)もすごいが、それより3年前にこの内容。ミンガスのアイデアはすごいと思う。マクリーンはこの中で主役級の役割を果たしている。(hand)
Gene Ammons(ts),Donald Byrd, Art Farmer(tp),Jackie McLean(as)
Mal Waldron(p),Doug Watkins(b),Art Taylor(ds)
プレステッジお得意のジャムセッション。まさにタイトルどおりだ。10分超の全3曲、各メンバーは心行くまでソロを吹いている。①タイトル曲のブルースではマクリーンは4番目に登場し7コーラスの長いソロをとる。いいソロだと思う。②のスタンダードは3番目に2コーラスのソロ。こちらはまずまず。③は高速曲だ。マクリーンは2番目に5コーラスもソロをとる。エンディング前に長い8バースもある。特段の感動はなかった。ボステナーと言われる人は、アイク・ケベック〜アモンズ〜スタンレー・タレンタインといるが、そのアーシーな魅力は想像できるが、私は感じない。(hand)
①"Jammin' With Gene" (Gene Ammons) - 14:15
②"We'll Be Together Again" (Carl T. Fischer, Frankie Laine) - 10:00
③"Not Really the Blues" (Johnny Mandel) - 16:06
Hank Mobley(ts),Donald Byrd(tp),Jackie Mclean(as),Barry Harris(p),Doug Watkins(b),Art Taylor(ds)
なぜかこの日元気のいいアート・テイラーのおかげかモブレーも元気が出ている。Alternating Currentのみは、音が悪く残念で、この曲がなければ、もう1ランク上の初期必聴名盤だ。(hand)
マクリーンの「4,5&6」と同日に録音された姉妹盤。ピアノ以外は同じメンバーのこちらもカルテット、クインテット、セクステット。セクステットはマクリーン盤と同じようにパーカーの曲をやっていてなかなか快調。聴きなれたビバップ曲中心の選曲なので聴きやすくモブレーのソロにも愛着が持てる。(しげどん)
軽快な演奏だが、なんとなくバラバラとした印象。一週間後に演奏したとされる2nd MESSAGEの方がかなり良い。メンバーも多少違うが、暖機運転中といったところか?(ショーン)
同一日の録音で、同じくセクステットでパーカー曲をやっているマクリーンの人気盤「4,5&6」 →レビューはこちら
Art Farmer,Donald Byrd (tp),Jackie McLean(as),Barry Harris(p),Doug Watkins(b),Art Taylor(ds)
単なるジャムセッション的な盤だろうと思って聞くと、意外ときちんとアレンジされた盤である。ファーマー、バードの二枚看板に、好調のマクリーンも加わり、隠れ名盤である。(hand)
50年代のハードバップの雰囲気が味わえるジャズらしさ全開の作品。バードのトランペットはメロディアスで上品。ファーマーもホットな熱演をしており彼を静的なトランペットと思ったら間違いだ。ほかのメンバーの存在感も充分に楽しめる。アナログで欲しくなった。(しげどん)
ドナルドバードとアートファーマーの2人のトランペッターが競演する贅沢なアルバムだが、テンポの速い曲が多く、ハッキリ言って2人が疾走すると、ごちゃごちゃしてしまい、やや聞き辛い。最後のラウンドミッドナイトは、ドナルドバードの快活なトランペットの雰囲気が良い。(ショーン)
Gene Ammons(ts),Art Farmer(tp),Jackie Mclean(as),Duke Jordan(p),Addison Farmer(b),Art Taylor(ds),Candido(conga)
マクリーンは、ボステナー、ジーン・アモンズのジャムセッション盤に4枚も参加している。これは2作目。①タイトル曲はなんとマクリーンのソロから始まる。ブルーな音色のマクリーンにハッピーな曲は似合わない。特段の魅力を感じない盤。(hand)
コンガ入りで、タイトル通りハッピーな曲調が続くジャムセッション。普通は小粋に感じる小唄「Cant We Be Friend」も背脂たっぷりのB級グルメ化している。このようなテイストではアモンズのむせび泣きテナーがマッチしている。時にはミュートで味わい深さを必死でアピールするアート・ファーマーといい、強い個性のオッサンたちのぶつかり合いの中で、さすがの個性派マクリーンもやや押され気味。そこが楽しい愛すべきB級ジャズの名品。(しげどん)
Bill Hardman (tp: B1 to B3),Jackie McLean (as: B1 to B3)
Ray Bryant (p:tracks: A1 to A3), Sam Dockery (p:tracks: B1 to B3)
Spanky DeBrest (b:tracks: B1 to B3),Oscar Pettiford (b:tracks: A1 to A3)
Candido (bongo:tracks: A1 to A3), Sabu* (bongo:tracks: A1 to A3)
Art Blakey, Jo Jones (ds:tracks: A1 to A3)
Charles Wright* (ds,timpani;tracks: A1 to A3)
ブレイキーのアフロドラムが前半。この後、ドラムやパーカッションを中心とした作品が数枚作られることになる。後半3曲がマクリーン、ビル・ハードマン在籍中のJMの録音。暗黒時代などと悪く言う人もいるが、決して悪い内容ではなく、マクリーン好きはマストだと思う。ニカズテンポ、ディーズジレンマ、ジャストフォーマーティの3曲のみだが、マクリーン、ハードマンともに素晴らしいソロを聞かせる。この3曲、近年、ブレイキーの「ハードバップ」におまけ曲+4として収録された。ブレイキーのアフロドラム部分が不要な人はそちらでいいと思う。(hand)
Gene Ammons(ts),Art Farmer(tp),Jackie Mclean(as),Mal Waldron(p),Kenny Burrell(g),Doug Watkins(b),Art Taylor(ds)
アモンズとのジャム3作目。プレステッジが飽きもせずこうしたジャム盤を録り続けるということは、売れたのだろう。ボステナー、アモンズ以外は、マクリーンなど若手精鋭ばかりがメンバーだ。この盤はメンバーも良く、曲もまずまず、ジャケもカッコいい。ただ、私にはアモンズのテナーの良さがなかなかわからない。(hand)
一応ジーン・アモンズがリーダーだが、この作品は特に彼の存在感が大きいわけではなく、オールスターメンバーによる優れたジャム・セッションで、メンバー各自の個性を発揮したソロが楽しめる。アモンズよりも、マクリーンやアート・ファーマーが自分らしい個性を発揮していて印象に残る。(しげどん)
Jackie McLean(as),Bill Hardman(tp),Sam Dockery, Ray Bryant(p),Spanky DeBrest, Oscar Pettiford(b),Sabu Martinez, Candido(conga),Art Blakey, Jo Jones, Charles "Specs" Wright(ds)
マクリーン=ハードマンをフロントにした最初の正規盤。いわゆる暗黒時代と言われるJMだが、そんな言い方をされているのは多分、日本でのことだと思う。マクリーンやハードマンは溌剌としており、マクリーン好きにはマスト盤だと思う。近年「ドラム組曲」等に収録されていたアウトテイクが収録されたほか、音質も向上、さらに③マイハートで編集カットされていたピアノのソロ部分も復活し、かなりいい盤となっている。ドラム組曲からの3曲は特に素晴らしいと思う。(hand)
Art Blakey(ds),Bill Hardman(tp),Jackie McLean(as),Sam Dockery(p),Spanky DeBrest(b)
マクリーン=ハードマン時代のJM第2作でパシフィックジャズ盤。JMのサックスはテナーが多く、アルトは、JM前のルー・ドナルドソンと70年代末のボビー・ワトソンなどだ。マクリーンは自己リーダー盤「ジャッキーズ・パル」でもハードマンと組むなど相性も良く、素晴らしいコンビネーションが聞かれる。最後に⑧リチュアルについてのブレイキーのコメントが2分弱あった後、⑨リチュアル、がテイクワンの掛け声とともに始まるという作り。アフリカからのアイデンティティをジャズドラムに取り込もうとするブレイキーの意気込みを感じる約10分のリズムの曲だ。(hand)
マクリーン参加時代は暗黒時代と言われたのだが、モーニンのようなヒット・チユーンがなかっただけで、ジャズ的な魅力は決して低くない。この作品もマクリーンのソロは元気で、それだけで価値があると言えるくらいの明るい快作。(しげどん)
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