ジャッキー・マクリーンの主要作品 CD レビュー 目次
→ジャッキー・マクリーンの主要リーダー作1 (Prestige時代)へ
→ジャッキー・マクリーンの主要リーダー作2(Blue Note前半 Let Freedom Ringなど) へ
→ジャッキー・マクリーンの主要リーダー作 3(Blue Note後半 It's Time など)へ
→ジャッキー・マクリーンの主要リーダー作 4(Steeple Chase時代)へ
→ジャッキー・マクリーンの主要リーダー作 5(最後期 ルネとの共演など)
→ジャッキー・マクリーンのサイド参加作 1 (51年~57年 直立猿人など)へ
→ジャッキー・マクリーンのサイド参加作 2(57年~59年 Cool Struttin' など)・・・このページ
<A1, A3 to B3>
Donald Byrd (tp),Jackie McLean (as),Charlie Rouse (ts),Ray Bryant (p),Wendell Marshall (b),Arthur Taylor(ds)
<A2:C.T.A.>
John Coltrane(ts),Red Garland(p),Paul Chambers (b),Arthur Taylor(ds)
A.T.と略して呼ばれるアート・テイラーの初リーダー盤。同じドラムのアートでもブレイキーのようにリーダー盤は多くない。多分、生涯で5枚だと思う。いずれもウェイラーズとして吹き込まれている。バード、マクリーン、ラウズらを迎えている。1曲のみコルトレーン4になっている。その1曲はジミー・ヒース曲、他はリー・シアーズが2曲、モンク曲2曲、ブライアント1曲だ。今回調べるまで、シアーズがジジ・グライスの変名とは知らなかった。モンク4に入る前に、ラウズがモンク曲をやっているが、雰囲気は将来を予感させる適合度だと思う。(hand)
Art Blakey(ds),Bill Hardman(tp),Jackie McLean(as),Sam Dockery(p)
Spanky DeBrest(b)
マクリーン=ハードマンをフロントにしたJMのELEKTRAという超マイナーレーベル盤(後にはSAVOYから発売)。メジャーのコロンビアに「ハードバップ」を吹き込んだ後、レーベルを転々としたことも暗黒時代と言われる原因かもしれない。モーニン以降はブルーノートが続きレーベルの安定が内容の向上につながったとも言える。とはいえこの盤も決して悪い訳ではなく、マクリーンらのソロは充実している。あえて言えば、バンドの割にはアレンジがさっぱりしているということくらいだと思う。ドラムが目立つ作品。(hand)
暗黒時代のメッセンジャーズ。でも暗黒とは思えない。モーニンのような一般受けするヒット曲はなかったが演奏は普通だ。この作品も特に突出した特徴はないがハードバップ作品として、マクリーンのソロなどは充実している。(しげどん)
Ray Draper(tuba),Webster Young(tp),Jackie McLean(as),Mal Waldron(p),Spanky DeBrest(b),Ben Dixon(ds)
発掘盤「ストレンジ・ブルース」も含めると3枚のマクリーン盤に参加しているドレイパーのリーダー盤にマクリーンが参加。トランペットはウェブスター・ヤング、ピアノはマルという憂いのあるプレイヤーとの共演はマクリーンに合っている。ドレイパー作の④ジャッキーズドリーは素晴らしい。(hand)
レイ・ドレイパー弱冠16歳の初リーダーアルバム。マクリーンも彼らしいソロを充分に披歴。マルの憂いを込めた情感ありながらもどことなく無機質なタッチもかっこいい。(しげどん)
Art Blakey(ds),Bill Hardman(tp),Jackie McLean(as), Sam Dockery(p),Spanky DeBrest(b), Art Blakey(ds)
コロンビアがチェット・ベイカーをパシフィックから借りた代わりにJMを貸し出した盤。この時期、アフリカに目覚めたブレイキーのドラムソロが目立つ作品。後には、ドラム中心の盤と通常のJM盤に分かれていくが、この時期は未分化だ。(hand)
Art Blakey(ds),Bill Hardman(tp), Jackie McLean(as),John Griffin(ts),Sam Dockery(p),Spanky De Brest(b)
RCAの傍系のVIKへの録音。マクリーンは退団し、ジョニー・グリフィンが加わったJMだが、退団直後のマクリーンもゲスト参加した盤。なぜか名前がFerris Bendaという変名での参加だ。①チュニジアは、JM以前のクリフォード・ブラウンとの吹き込み以来で、次はリー・モーガン時代のモーダルなチュニジアになる。私はモーガンとのチュニジアのアレンジはあまり好きではないが、このチュニジアのアレンジもあまりいいと思えない。ブラウンとの普通に熱く演奏したのがいい。ピアノが同じ冴えないフレーズを繰り返しているので、ピアノのサム・ドッケリーのアレンジかもしれない。ソロイストが暗黒時代とは思わないが、ピアノは暗黒時代かもしれない。全体にピアノバッキングが単調で、ソロもブルージーさに欠けると思う。(hand)
メッセンジャーズの「チェニジアの夜」は有名なブルーノート盤のほか、本作以外にも79年のPhilipps盤もありなんでおんなじタイトルにするの?テキトーすぎる。と思う。もちろん有名なのはBN盤だが、このRCA盤もなかなかの作品。好き嫌いはあると思うが私はこちらが好き。タイトルチューンはマズマズだが、そのほかの曲ではストレートにハードバップを演じているこちらの方に軍配をあげたい。ピアノはBN盤のボビー・ティモンズが魅力的だが、RCA盤では三管のフロントライン=マクリーン、ジョニー・グリフィン、ビル・ハードマンが魅力的でソロを味わうハードバップ作品として楽しめる。(しげどん)
Gene Ammons(ts),Idrees Sulieman(tp),Jackie McLean(as),Mal Waldron(p),Kenny Burrell(g),Paul Chambers(b),Art Taylor(ds)
アモンズとのジャムセッション盤にマクリーンが参加した4枚のラスト。アモンズのボステナーには私はやはり魅力は感じないが、マクリーンを始めとする若手メンバーのソロは素晴らしい。特にケニー・バレルがいい仕事をしていると思う。(hand)
4月19日 Mal Waldron(p),Bill Hardman(tp),Jackie McLean(as),John Coltrane(ts),Julian Euell(b),Art Taylor(ds)
5月17日 Mal Waldron(p),Idrees Suliman(tp),Sahib Shihabu(as),John Coltrane(ts),Julian Euell(b),Ed Thigpen(ds)
アモンズ盤と似たようなメンバーだが、アモンズのような少々時代が違うメンバーがいなくなり、若手中心に伸び伸びと吹き込んでいるように聞こえる。若きマクリーンとコルトレーンの共演が聞かれる貴重な盤。マクリーンには個性的でアフリカンテイストの強いブレイキーよりも精緻に4ビートを刻むA.T.のほうが合っていると思う。アナログは全6曲だがCDでは「ザ・ディーラー」からの同日分追加で8曲になっている。コルトレーンは全曲参加だが、マクリーンは①〜⑤で、⑥〜⑧のアルトはサヒブ・シハブでバリも吹いている。追加曲④ブルーカリプソは、えっ?マルがカリプソ?と一瞬思うが、この時期は、暗い個性を確立する直前なのか、プレイに違和感はない。ただ、決して明るいソロではなく、短く終わる。ロリンズ向きの曲でコルトレーンは似合っていないが何とか対応しいている。マクリーンは一応カリプソにも対応できている。⑤恋に恋して、この手の軽快なスタンダードはこのメンバーなら朝飯前という感じだ。(hand)
マル・ウォルドンの編曲の才能が全体を支配している。彼のピアノも魅力的だがこの作品ではソロは意外と目立たない。コルトレーンが全曲に参加してるので、そこは聴きどころかもしれない。(しげどん)
Jackie Mclean,John Jenkins(as),Wde Legge(p),Doug Watkins(b),Art Taylor(ds)
マクリーンと音色、スタイルともに似ているジョン・ジェンキンスとのバトル盤。フィル・ウッズ&ジーン・クィルも似たタイプの組合せだ。その心は何なのか?当人同士がやってみたかっただけなのかもしれないが、聞く方は聞き分けようとすると大変だ。ステレオ時代なら左右に分かれることも可能だが、ステレオ化直前の録音だ。なので、どちらのソロかあまりこだわらずに聞いたほうが楽しめる(笑)。イージー・リビング以外は、雰囲気が似た曲ばかりなのがもったいない。マクリーン得意のブルージーな曲もやって欲しかった。(hand)
二人のアルトを全面的に出した盤。マクリーンをさらに荒々しくした感じのジェンキンス。似ているが違いはよくわかる。タイトル曲をはじめ、ソロはマクリーン先発の場面が多いが、頻繁なソロ交換の時は、どちらが吹いているか混乱する。ノリのよい一枚だが、くつろぎ感には欠ける。(しげどん)
Art Farmer(tp),Jackie McLean(as),Sonny Clark(p),Paul Chambers(b),Philly Joe Jones(ds)
言うことのないジャズの最高名盤の1枚だと思う。メンバー全員が絶好調だ。ブルー・マイナーは、もっとスタンダード化して欲しい曲。クインテッツ所収のおまけ2曲は、演奏は悪くないが、雰囲気が違うので、アナログの容量が理由だったのかもしれないが、外して正解だった。(hand)
言わずと知れた人気盤。全4曲すべて素晴らしいが、A面の人気がありすぎる反動でB面をあえて押したくなる気持ちもあった。しかし冷静に聴くとやはりソニー・クラークらしさがにじみ出ているA面のオリジナル二曲の魅力には抗しがたい。ファーマー,マクリーンの哀愁ただようソロも曲調にもマッチしており限りなくメロディアスな名演だ。(しげどん)
ジャズの名盤に必ず登場する有名盤。アートファーマー、ジャッキーマクリーン、ソニークラークとも、兎に角そのアドリブプレイがイカす!それぞれが耳に残る素晴らしいフレーズを連発し、この偶然をテープに残してくれた事に感謝しかない。ポールチェンバースのアルコ(弓弾き)も効果的。私ショーン的には、LPを手に持ちながら、アナログで聴く臨場感が最高だ!(ショーン)
1958年1月5日:Clifford Jordan(ts),Sonny Clark(p),Kenny Burrell(g),Paul Chambers(b),Pete LaRoca(ds)
1957年12月8日: Art Farmer(tp),Jackie McLean(as),Sonny Clark(p),Paul Chambers(b),Philly Joe Jones(ds)
冒頭の2曲の演奏には力がある。特にroyal flushは、アートファーマーの伸びやかなトランペットと正確無比で締まったポールチェンバースが際立つ好演奏曲だ。次のloverはユニークな曲だ。リズムがワルツに変わる場面が面白く、とても良い曲というわけではないが、印象には残る不思議な曲だ。フィリージョージョーンズのドラムソロはちょっとうるさい。4曲目のもたもたハモる管楽器たちは微妙だが、ケニーバレルのギターの温もりが良いので助かっている。(ショーン)
クールストラッティンには及ばないが、クオリティは高い。クールストラッティンの残り2曲は、ソロはいいが、テーマに哀愁が足りない。57年録音分は、ケニー・バレルは好きなミュージシャンだが、ここでは抜きのほうが良かったと思う。(hand)
いわゆる発掘盤だが内容は水準以上の素晴らしい作品だ。クール・ストラッティン時の残り2曲も出来栄えはいいが、比較するとやはり外された理由はわかる。特にスタンダードLoverは古臭い曲調でこのグループにはマッチしていないようだ。オリジナル「ロイヤル・フラッシュ」はタイム盤で「ニカ」として知られている曲。(しげどん)
Donald Byrd(tp),Jackie McLean(as),Pepper Adams(bs),Wynton Kelly(p),Sam Jones(b),Art Taylor(ds)
バード、マクリーンにバリのペッパー・アダムスが加わった典型的なハードバップ盤だ。バードの音色はブリリアントだ。マクリーンは、ブルーノートに移ったばかりで、私好みのプレステッジ的な音色で吹いている。ケリー節が聞けるのも嬉しい。ただ、ケリーの音色とブルーノートは微妙に合わないと思う。①恋人よ我に帰れは、マクリーンの演奏の中ではかなり高速の1曲だと思う。(hand)
バード初のブルーノート作品なので、慎重になったのかもしれないが、オリジナル中心にもっとバードらしく演じて欲しかった。そもそも冒頭曲が「Lover Come Back・・」というスタンダード。なぜバードのオリジナルを一曲目にしなかったのだろうか。セールスを意識してなのかも知れない。イメージ的にはゆったり調の名曲を急速調で演じたのはその不満をぶつけたのではなどと勘ぐってしまう。でも各面の後半のオリジナルブルースなどはいい感じだ。マクリーン、アダムスのソロも悪くないが、サイドメンバーではウィントン・ケリーのピアノがケリー節全開で際立って素晴らしい味わいだ。(しげどん)
Charles Mingus(b),John Handy(as),Jackie McLean(as),Booker Ervin(ts)
Pepper Adams(bs),Jimmy Knepper(tb),Willie Dennis(tb),Dannie Richmond (ds),Horace Parlan(p)except for "E's Flat Ah's Flat Too",Mal Waldron(p)on "E's Flat Ah's Flat Too"
「直立猿人」に続きミンガスの強烈に個性的な作品に2度目にして最後のゲスト参加。マクリーンはブッカー・アーヴィンと並ぶ主要なソロイストだ。盤の雰囲気に合った素晴らしいソロをとる。最大の人気曲は③モーニンで、JMとは同名異曲だ。バリサクの効果がすごい。(hand)
ミンガスの最高傑作。「直立猿人」より凄いと感じる。9人編成というメンバーをコントロールして、この複雑なアレンジを統率している事が感動的に驚く。冒頭の「水曜の夜の祈りの集い」の宗教的な表現の奥深さといい、「モーニン」に於けるリズムと各メンバーの自由なソロ表現のバランスといい、聴けば聴くほど深みにはまる作品。ブッカー・アーヴィン(ts)、ペッパー・アダムス(bs)の存在感も素晴らしく、マクリーンの出番は相対的に少ないが、作品としてはジャズ史上の金字塔的な、とにかくすごい傑作だ。(しげどん)
Mal Waldron(p),Jackie McLean(as),Julian Euell(b),Al Drias(ds)
マクリーン参加はタイトル曲の一曲だけ。でもその深みはすごい。一曲単位で選んだら、これがマクリーンの一番の人気作だと思う。マルのトリオ演奏も素晴らしいので、アルバム単位でA評価。(しげどん)
マクリーンの参加はタイトル曲だけで残念だがそれでも名盤であることに変わりはない。マルがビリー・ホリディに捧げたタイトル曲をマクリーンはシンプルだが期待以上に吹き切る。(hand)
Donald Byrd(tp),Jackie McLean(as),Walter Davis Jr.(p),Sam Jones(b),Art Tatlor(ds)
リーダー盤のあまりないウォルター・デイビスJr.のブルーノート唯一のリーダー盤にマクリーンとドナルド・バードが参加。全曲デイビスのオリジナルで、管2人のソロやデイビスのソロも悪くはないが、日本人好みのマイナーで心打つメロディがないのが残念なところ。(hand)
ウォルター・デイビスJrのリーダー作で、曲はすべて彼のオリジナル。マクリーンもバードも伸び伸びと吹いている。なんの変哲もない一枚のようでありながら、聴き込むほどに愛着を感じるのはハード・バップ時代を象徴するような典型的な一枚だからかもしれない。(しげどん)
Donald Byrd(tp),Jackie McLean(as),Duke Pearson(p),Doug Watkins(b),Lex Humphries(ds)
ハードバップ&ファンキーの名盤だ。マクリーンは共同リーダー的な半主役のように活躍する。バードの最高傑作だと思う。(hand)
とにかくバードの作曲能力が素晴らしく、いい曲揃いの一枚だ。一曲目からかっこ良さ全開でA面B面通してヒット要素満載のファンキー時代を代表する作品。曲もいいし各人のソロも素晴らしい作品なのでジャズ入門者には特におすすめ。(しげどん)
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