・新宿ジャズ談義の会 :ドナルド バード CDレビュー 目次
John Coltrane(ts), Donald Byrd(tp), Red Garland(p), Paul Chambers(b), Louis Hayes(ds) etc
58年1月10日のコルトレーンのリーダーセッション5曲にバードが参加し、3枚のコルトレーン盤に分散収録されている。「ラッシュ・ライフ」は、コルトレーンのリーダー第2作。3セッションから寄せ集めているので、バードの参加はバラードのタイトル曲④のみ。14分近い長尺で、コルトレーンのワンホーンと思って聞いていると後半に少しだけバードが登場する感じで、ボーッと聞いていると聞き逃すかもしれない。「ザ・ビリーバー」は、遅れて発売された寄せ集めのセッションで、バードの参加は3曲中2曲。タイトル曲①もコルトレーンの激しいソロで人気があるようだが、バードは隠れ名曲カル・マッセイ作②ナカタニ・セレナーデ、のほうがいいと思う。バラード③ドゥ・アイ・ラブ、のトランペットはフレディで11か月後の録音。「ザ・ラスト・トレーン」も、事後発売の寄せ集め盤。バードの参加は4曲中2曲。①ラバー、は演奏は悪くないが、私好みの曲ではない。アー・リュー・チャ的なビバップの慌たゞしさがある。バード自身も元々はバッパーだったとは思うが、ビバップ的なプレイは意外と得意とはしていないと思う。 ④降っても晴れても、は歌物でコルトレーン以上に適合しているかもしれない。(hand)
Johnny Griffin(ts), Donald Byrd(tp), Pepper Adams(bs), Kenny Drew(p), Wilbur Ware(b), Philly Joe Jones(ds)
リトル・ジャイアント、ジョニー・グリフィンのリバーサイド第1作。バードとバリトンのペッパー・アダムスを加えた3管盤。リズム隊も、ドリュー、ウィルバー・ウェア、フィリーと申し分ない。各人のソロはいいのだが、曲が今ひとつ感があり、完全には楽しめない。リバーサイドはハードバップ録音はあまり得意でない印象がある。バードもアダムスも脇役で、グリフィンを聞くための盤だ。(hand)
1958.2.25
Riverside
おすすめ度
hand ★★★
Thelonious Monk(p), Johnny Griffin(ts), Donald Byrd(tp), Pepper Adams(bs), Wilbur Ware(b), Philly Joe Jones(ds)
「ジョニー・グリフィン・セクステット」録音後に、そのメンバーは急遽、メンバーが現れないモンクのセッションに参加することとなった。個別にはこの後、モンクと共演することとなるバードを含むメンバーだが、いきなりのモンク共演がうまくいくとは思えず、カミン・オン・ハドソン1曲のみで終了している。アナログ盤「ブルース・ファイブ・スポット」は昔、買って一度聞いたきり何十年も聞いていない。その後のCD化でハドソン以外の曲はオリジナルセッションの盤に追加収録となり、この曲だけが取り残され、モンクの「コンプリート・リバーサイド・レコーディングス」でしか聞かれない状況になっている。今回、改めて聞いたが、特段の感興はなかったが、グリフィンはやはりモンクに適合したまずまずのソロを吹いている。バードとアダムスのソロはない。(hand)
Donald Byrd(tp), Pepper Adams(bs), Bobby Timmons(p), Doug Watkins(b), Elvin Jones(ds)
バードとアダムスは、グリフィンの「セクステット」で共演後、この双頭のクインテットを結成し、しばらく活動することになる。この盤は、クインテットの初盤と位置付けられるライブだ。2人のフロントもティモンズ、ワトキンス、エルビンというリズム隊3人も勢いがあり、聞いていて気持ちいい。これまでキチンと聞いてこなかったことを反省する盤だ。(hand)
Manny Albam(arr,cond), Donald Byrd, Art Farmer, Ernie Royal, Nick Travis, Bernie Glow(tp), Jim Dahl(tb), Tommy Mitchell(b-tb), Bob Brookmeyer(vtb), Gene Quill, Phil Woods(as), Zoot Sims, Al Cohn(ts), Pepper Adams(bs), Jerome Richardson(fl,ts), Dick Katz, Bill Evans(p), Eddie Costa(vib,p), Milt Hinton, Joe Benjamin(b), Osie Johnson(ds)
作編曲家マニー・アルバムのリーダー盤に参加。モダン・ビッグバンドで、バードだけでなく、多くの若手スターが参加している。ギル・エバンスとは違って、ストリングスを使っていないので、クラシカルにならず、私には聞きやすい。トロンボーンのアレンジが効果的に感じた。(hand)
John Coltrane(ts), Donald Byrd(tp), Red Garland(p), Paul Chambers(b), Art Taylor(ds)
録音から6年後の64年に事後発売された盤だが、寄せ集めではなく単独セッション。あまり聞かれない盤とは思うが、まとまりがあり、隠れ名盤だ。バードは全3曲に参加し、熱演している。18分超の③スイート・サファイア・ブルース、は収録曲が足りずに即興で作ったブルースらしいが、イキのいい演奏で、特に前半のガーランドの長いソロは、本人の盤でも聞かれない素晴らしさで、ガーランド好きにはマストだと思う。(hand)
Michel Legrand(arr,cond)
③⑤⑪:Art Farmer, Donald Byrd, Ernie Royal, Joe Wilder(tp), Frank Rehak, Jimmy Cleveland(tb), Gene Quill(as), Phil Woods(as,fl,cl), Seldon Powell(ts), Teo Macero(bs), Don Elliot(vib), Nat Pierce(p), Milt Hinton(b), Osie Johnson(ds)
マイルス、コルトレーン、エバンスという日本で人気の3ビッグ・ネームが参加のミシェル・ルグランのビッグバンド盤。異なるメンバーによる3セッションからなっている。バードは、フィル・ウッズらと③⑤⑪の3曲に参加。3セッションの中では一番大編成でルグラン以外に13人いる。トランペットには、バード以外にファーマー、アーニー・ロイヤル、ジョー・ワイルダーもいて、バードだけを聞くための盤ではない。③チュニジアの夜、はアルトの素晴らしいソロに続きトロンボーン、そして誰か明確化できないが3人のトランペットがソロとチェイスをするのは楽しい。この盤は、私が知るだけでもジャケが4種あり、間違って買わないように要注意だ。(hand)
Stan Getz(ts), Donald Byrd(tp), Hans Hammerschmid(p), Doug Watkins(b), Art Taylor(ds)
スタン・ゲッツとの珍しい共演の海賊録音。西ドイツのラジオ用録音で1曲ジョン・ルイス曲フォンテッサ、のみだ。音は悪いが、ゲッツと組んだせいか珍しくくつろいだバードのテーマとソロが聞かれる。ゲッツの「ラウンド・ミッドナイト・イン・パリ+4」というCDにも収録されていて、私の聴いたのはこちらだ。。この後、8月のサントラとディジー・リース盤、10月のパリのライブ盤と米録音がなく、11月に米BNでブレイキーの「ホリデイ・フォー・スキンズ」を録音するまで、もしかすると約4か月間、ヨーロッパに滞在していたのかもしれない。(hand)
Dizzy Reece(tp), Donald Byrd(tp:③④⑦⑧), Tubby Hayes(ts), Terry Shannon(p), Lloyd Thompson(b), Art Taylor(ds)
この盤のバードはゲスト・トランペットだが、元々バードには2トランペット盤が沢山あり(「ボヘミア・アフター・ダーク/ケニー・クラーク」「2トランペット/アート・ファーマー&ドナルド・バード」「ハンク・モブレー・ウィズ・ドナルド・バード&リー・モーガン」)、競演は嫌いではないのだろう。バードは③④の2曲と2015年発売CDで2曲追加された⑦⑧に参加している。若干のチェイスはあるものの、バードを入れた意味は、購入者の拡大くらいにしか考えられず、リースとタビー・ヘイズだけで十分だった感じだ。それにしても、BNの録音は、RVGではなくとも、他レーベルよりもトランペットの音がいい。(hand)
Art Blakey, Philly Joe Jones, Art Taylor(ds,chanting), Ray Barretto, Victor Gonzales, Julio Martinez, Sabu Martinez, Chonguito Vincente(bongos,congas), Fred Pagani(timbales), Andy Delannoy(maracas), Austin Cromer, Hal Rasheed(chanting),
Donald Byrd(tp:1,4,6,8), Ray Bryant(p), Wendell Marshall(b)
ブレイキーのアフリカ的なドラム&パーカッション盤。CDでもVol.1と2で出ている盤と曲順の違う2in1盤もある。メロディを奏でるのは、管はバードのみで、ピアノのレイ・ブライアントも参加している。バードは4曲に参加し、当該曲では鮮やかなトランペットが聞かれるが、やはり主役は打楽器だ。ロイ・ヘインズ盤「ウィ・スリー」で知られるリフレクションが比較的楽しめる。(hand)
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