デクスター・ゴードンの主要作をレビューしています。
ここでは60年の本格復帰から渡欧までの作品を第3期として取り上げています。
渡欧後も積極的に活動し、いい作品をたくさん残していますので引き続きほかの時期のレビューもごらんください。
BEST 5以外の作品も1960年代までのほとんどの作品を選んでコメント入りでご紹介しています。
下記文字をクリックして、該当ページをご覧ください。
→1:リーダー作第1期、第2期編(デビューから50年代まで)
→2:リーダー作第3期編(60年の復帰から64年の渡欧まで)・・・・このページ!
→3:リーダー作第4期編-1.(64年の渡欧後の活動 前半)
→4:リーダー作第4期編-2. (渡欧後の後半)
デクスター・ゴードンは、60年代に麻薬から立ち直り、本格復帰を遂げます。Resurgence(再起)と名づけられたJAZZLAND盤を皮切りに、ブルーノートへ次々と録音し、人気作を連発する全盛期に入っていきます。
ここでは、復帰から渡欧までの二年間の作品をレビューしています。
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Martin Banks(tp) Richard Boone(tb) Dexter Gordon(ts) Dolo Coker(p) Charles Green(b) Lawrence Marable(ds)
麻薬禍から復帰した盤。世間の評判はイマイチだが聞いてみるとそれほど演奏は悪くなく、というよりかなり良く、どちらかというと好みの盤。選曲が良ければかなりの盤になったはず。美メロが不足が残念(hand)
軽快なリズムに乗ったデックスだが、スローなナンバーがやや間延びする。ベースとドラムは特徴も無く普通過ぎて面白味に欠ける。悪くはないが良くもないというアルバムだが、JODIは身体を揺さぶる低音から伸びやかな高音まで、デックスは自在に歌い上げており、素晴らしい仕上がり。(ショーン)
デックスさんのアドリブはいつも通り素晴らしく、この人は好不調がない。本来はウエスト出身の帝王だが、三管でのウエストコースト風アレンジは余計なお世話的で落ち着きのない曲も減点ポイント。カルテット曲は悪くないから、全部ワンホーンならと思わずにいられない。(しげどん)
1961年5月6日 Blue Note
おすすめ度
hand ★★★★
しげどん ★★★★☆
ショーン ★★★★
Freddie Hubbard(tp) Dexter Gordon(ts) Horace Parlan (p) George Tucker(b) Al Harewood(ds)
西海岸からNY復帰作かつBN隆盛期のスタート盤。1曲目は何度か聞くと好きになる曲。2曲目バラードはダレのないイイ演奏。ピアノのパーランはいい味出してる。イッツユーオアノーワンは名曲で名演。(hand)
BN盤の中では、GOに次いで好きな一枚。ビバップ的な生硬さがなくなり洗練されたモダンジャスのデクスさんが聴ける。スタンダードのバラード演奏も良いし、彼のオリジナルも変化に富んでいて楽しい。(しげどん)
比較的スローなナンバーが多く、バラード好きには評価の高いアルバムと思われる。(ショーン)
1961年5月9日 Blue Note
おすすめ度
hand ★★★
しげどん ★★★★
ショーン ★★★★
Dexter Gordon(ts) Kenny Drew(p) Paul Chambers(b) Philly Joe Jones(ds)
A1、 A3、B3が彼のオリジナル。帝王はオリジナルも多く作曲しているが、このアルバムではその出来栄えがアルバム全体の雰囲気を決めていて、BN盤の中では比較的地味な印象の一枚。ソロはこの時期の高水準を保っている。このオリジナルはスティープル・チェイスのライブでも再演していた。お気に入りの曲なんだと思う。(しげどん)
特徴に乏しいアルバム。その中ではCLEAR THE DEX は、迫力もありメリハリのついた秀曲。SMILEもケニーのピアノとの共演が雰囲気のあるバラードだ。(ショーン)
1962年6月25日
Blue Note
おすすめ度
hand) ★★★★
しげどん)★★★☆
Dexter Gordon(ts),Dave Burns(tp),Sonny Clark(p),Ron Carter(b),Philly Joe Jones(ds)
三つのセッションからの寄せ集めの発掘盤だが、デックスさんらしいアルバムとして聴ける一枚。タイトル曲はクラークは参加しておらず「デクスター・コーリング」時の残り曲だが、なぜこれがお蔵入りになったのかよくわからない。後は中間派サー・チャールス・トンプソンがピアノをつとめた3曲と、ソニー・クラークがピアノの3曲で、名作「GO」の二カ月前の録音だけあって、高水準のソロだ。(しげどん)
3つのセッションの寄せ集めだが、発掘してくれたマイケル・カスクーナに感謝したくなるいいセッションばかり。①ランドスライドは、「デクスター・コーリング」の余り曲。時間以外に外した理由はないと思われるいい演奏。コーリングのCDにプラス1として入れたはいいが、アナログ時にタイトルにしてしまったため、こちらからも外せなくなったのだと思う。②〜④は珍しい中間派のサー・チャールズ・トンプソンとの共演。トンプソンがモダンもうまいことが分かる。⑤〜⑦のソニー・クラーク入りのラスト3曲は、ハンコックの「テイキン・オフ」の1か月後、名盤「GO」の2か月前の録音で、ゴードンも絶好調だと思う。(hand)
Dexter Gordon(ts) Sonny Clark(p) Butch Warren(b) Billy Higgins(ds)
ワンホーンカルテットでは屈指の名盤では?なんといっても1曲目のチーズケーキ、2曲目のI Guessと続けて聴くと、そのインパクトと哀感に落涙しそうになる名演。(しげどん)
スインギーでスピード感のある曲から、ゆったりとしたバラードまでいずれも素晴らしく、出色の出来が揃うデックスの名盤だ!1曲目から印象に残るフレーズで、一瞬にして引き込まれる。全ての方にオススメ出来る。(ショーン)
昔、アワマンでデックスに入った私は、悪いとも思わなかったが次々と聴きまくりたいとは思えなかった。もしGO!で入っていれば、GO!GO!と次々と聴きまくっていたと思う。曲も音色も最高の状態でデックスを捉えた作品かもしれない。麻薬禍がなく50年代に元気に活躍してたら、西海岸でなく東にいたらというタラレバ的にはその頃に最高作が生まれた可能性があるが、運命はそうではなかったので、やはりこれを勧めたい。①チーズケーキは、ベイシーのスイング曲トプシーのコード進行を使ってゴードンが作ったカッコいい曲で、この後デックスの十八番となる。(hand)
1962年8月29日 Blue Note
おすすめ度
hand ★★★
しげどん ★★★★
ショーン ★★★★☆
Dexter Gordon(ts) Sonny Clark(p) Butch Warren(b) Billy Higgins(ds)
ロリンズのようなカリプソに挑戦、4曲めのクラークのソロ、曲はイマイチでもソロは最高、ラスト曲も同様。全体に選曲がイマイチで残念。曲が良ければ、好調クラークも同じで最高クラスだったかも。(hand)
マンボの香りがする1曲目が面白い。こんな曲も作ることができるデクスターさんは偉い!2曲目もビリーホリデーの唄う歌詞を考えながら聴くと心に響く。このアルバム、勢いはあまり感じられないが、自信に満ち溢れ成熟したデクスターゴードンを聴くことができる。(ショーン)
※この作品は、名作 GO の二日後に、ソニー・クラーク(P)、ブッチ・ウォーレン(b)、ビリー・ヒギンス(d)という同一メンバーで吹き込まれました。デクスター・ゴードンの渡欧前最後の作品です。
BEST 5以外の作品も1960年代までのほとんどの作品を選んでコメント入りでご紹介しています。
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