このページでは、デクスター・ゴードンの最初期である第1期と、それに続き麻薬禍で苦しんだ第2期の主要作品をレビューしています。そのほかの時期の作品は、下記からお入りください。
BEST 5以外の作品も1960年代までのほとんどの作品を選んでコメント入りでご紹介しています。
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→2:リーダー作第3期編(60年の復帰から64年の渡欧まで)
→3:リーダー作第4期編-1.(64年の渡欧後の活動 前半)
→4:リーダー作第4期編-2. (渡欧後の後半)
デクスター・ゴードンは長い音楽キャリアがあります。初リーダー録音は43年のマーキュリーですが、その後のサボイ、ダイアルへの録音は歴史的なビバップの名演といわれています。その最初期である40年代の、ビバップテナーとして頭角をあらわしたデビュー期を第1期とし、その後麻薬で苦しみながら断続的な活動をしていた時期を第2期として、ここではレビューしました。
作品数は少ないですが、デクスター・ゴードンという人を理解するためには、重要な時期です。
第一期
Dexter Gordon(ts),Argonne Thornton(p) Gene Ramey(b) Eddie Nicholson(ds) Bud Powell(p) Curly Russell(b) Max Roach(ds) Tadd Dameron(p) Art Blakey(ds) Others
CBS SONYの日本盤はオリジナル仕様ではなく、ファッツ・ナヴァロの「ノスタルジア」に収録されたセッションも含めたサボイへのレコーディングをすべて集めたものだったが、コロムビア盤ではオリジナル仕様になった。もともとがSPなので、LPはオリジナルにこだわらないお得盤はありがたかったが、全部聞きたければナヴァロ盤もそろえるしかない。
SP両面にまたがるバリトンサックスとのバトル=セッティングザペースの熱いバトルが聴きもの。(しげどん)
40年代にレコーディングされた15曲(アナログCBS SONY盤)は貴重な音源である。1曲1曲が2〜3分と短く、小気味良く展開し、歯切れ良く終わる。ダラダラ10分以上も演奏するような曲に比べ、潔く魂をぶつけている感があり、歴史的価値も含め感慨深い。(ショーン)
Dexter Gordon ,Wardell Grey(ts) Jimmy Rowles(p) Red Callender(b) Roy Porter(ds) 、 Others
初期の有名演奏と言えばこの「ザ・チェイス」。同一日録音でグレイを外したカルテットの演奏にも注目。SPという短い時間の制約の中で帝王は自分の個性と味わいを充分に表現していて、完璧な構成力のソロである。
チェイスという名前が付いているが、同じくダイアルにチャーリー・パーカーが残したオリジナル=Klact-oveeseds-teneという謎めいたタイトルの有名曲と同曲である。このパーカーの演奏はぜひ聴いたうえで味わってほしい。(しげどん)
1947年と古い録音なので、やや聴き辛く単調に思えてしまうかも知れないが、デクスターゴードンのベースを探ることができる貴重な盤である。中音域で、ハッキリしたメロディを骨太に奏でる彼のプレイスタイルは生涯を通じて変わることはなかった。(ショーン)
※上記画像は12インチLPのダイヤル盤
左上のものは10インチLPのデザイン
第二期
Dexter Gordon(ts) Kenny Drew(p) Leroy Vinegar(b) Lawrence Marable(ds)
デクスターにしては、全般に軽快で聴きやすいアルバムに仕上がっている。バラードの包容力のある響きが心地良い。ハズレ曲が無く、高レベルでバランスのとれた良盤。(ショーン)
ホットアンドクールと比較し遜色のない内容。しかしアルバムタイトルにして本人のオリジナルのA面一曲目がどうも好きじゃない。原文ライナーはアルバムタイトルにふさわしい曲だとほめているが・・・・この曲がこのアルバム全体のイメージに影響している。(しげどん)
Jimmy Robinson(tp),Dexter Gordon(ts) Carl Perkins(p) Leroy Vinnegar(b) Chuck Thompson(ds)
初期の名盤。ホットとクールのメリハリも効いてる。この盤をベツレヘム盤ダディよりも勧めたくなるのは、泣かせるクライ・ミー、テンダリーの2曲のバラード演奏があるから。ピアノのカール・パーキンスもイイ仕事をしている。(hand)
ソロの出来栄えとしては、ベツレヘム盤と大差ないかも知れないが、選曲も良くアルバム単位で言えばこちらのほうがバランスのとれた良盤。トランペットが弱い点はあまり邪魔にはなっていないと思う。(しげどん)
『HOT AND COOL』のタイトル通り、緩急織り交ぜたデックスのテナーの魅力が満載された好アルバム。優しく包み込む様な音色のデックスのテナーが素晴らしい。静けさの中にしっかりとしたテーマを感じることができる。(ショーン)
※この時期デクスター・ゴードンは麻薬で刑務所に入っていて、この作品は仮出所の時期に録音されました。DootonというレーベルはR&B主体の会社で、なぜ彼がここに録音したのか経緯はわかりません。ピアニストのカール・パーキンスの唯一のリーダー作もこのレーベルに残っています。トランペッターが有名でない人で、経歴も不明です。ナゾの多いレコードです。
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