57年のデビュー・レーベルの終了とともにサイドマンとしての録音はほとんどなくなります。ただ、サイドマンというよりも共同作とでおいうべき、敬愛するエリントンとの「マネー・ジャングル」は独特の輝きを持っています。
・新宿ジャズ談義の会 :チャールズ・ミンガス CDレビュー 目次
③④:1956.9.14
⑤⑥:1956.9.19
ABC-Paramount
おすすめ度
hand ★★★☆
Quincy Jones(arr),
③-⑥:Art Farmer, Bernie Glow(tp), Jimmy Cleveland(tb), Gene Quill, Jack Nimitz, Phil Woods(as), Lucky Thompson, Zoot Sims(ts), Herbie Mann(fl,ts), Milt Jackson(vib), Billy Taylor, Hank Jones(p), Charles Mingus(b), Charlie Persip(ds)
やはりクインシーは商売上手だと改めて思った。フュージョン時代に「スタッフ・ライク・ザット」や「愛のコリーダ」など、大ヒットを出した時にそう思ったが、このモダンジャズ時代にもキチンと売れ線を狙って盤を出していたことを再認識した。ジャズが売れるのは悪いことではないが、作品のジャズ魂みたいなものが弱い盤は、イージー・リスニング的に聞こえてしまう。フィル・ウッズらのスターを綺羅星のごとく使っていて、ミンガスもその1人の感じだ。ベース音はしっかり鳴っているが、スタジオ・ミュージシャン的な参加に思えてしまう。(hand)
Teddy Charles(vib),
②,④-⑥:Hall Overton(p), Charlie Mingus(b), Ed Shaughnessy(ds)
タイトル曲①と③は大編成のコンボで、ベースはアディソン・ファーマーが担当し、ミンガスは入っていない。ミンガス参加は、②④⑤⑥のカルテットのセッション。ピアノのホール・オヴァートンが控え目なので、チャールズのバイブとミンガスがとても目立つ演奏になっている。特に⑤ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス、はバイブ奏者としてのチャールズに唸り声も含めてバド・パウエルを感じ、好感だった。(hand)
B②:1961.7.3
Columbia
おすすめ度
hand ★★★★
B②:Dave Brubeck(p), Charlie Mingus(b)
未CD化。デイブ・ブルーベックのピアノにゲストが1曲ずつ加わる形の企画盤。モンクの時にも登場した盤だ。ミンガスは、B②ノン・セクタリアン・ブルースでブルーベックとデュオ演奏。3分半の短い演奏だがそれぞれが個性を発揮して面白い演奏になっている。(hand)
1962.9.17
United Artista
おすすめ度
hand ★★★★
Duke Ellington(p), Charles Mingus(b), Max Roach(ds)
元アナログは7曲、再発で11曲、現在は「コンプリート・マネー・ジャングル」として、別テイク4曲を含む全15曲のCDとなっている。御大エリントンに、エリントンを尊敬・崇拝しているとも言えるミンガス、そしてローチのトリオ。素晴らしいトリオ演奏で、迫力もかなりのものがある。⑧スイッチ・ブレード、が目立たない曲ながら3人のインタープレイを感じる演奏。ただ、残念ながら盤としては私の愛聴盤にはなっていない。エリントンはエリントンの、ミンガスはミンガスの、そしてローチであればローチ=ブラウンなどの愛聴盤があり、そちらにCDを取り出す手が向かってしまうからだろう。(hand)
1972.7.6
Atlantic
おすすめ度
hand ★★★
Cat Anderson, Jimmy Owens(tp), Charles McPherson(as), Buddy Tate(ts), Roland Hanna(p), Milt Buckner(org), Charles Mingus(b), Alan Dawson(ds)
ニューポートフェスがニューヨークで開催されるようになった1972年の記録で、私が所有するのは4枚組CD。ミンガスはDisc 2②③のオールスタージャム的な演奏に入っている。いずれも20分超の長尺だ。以前は、ニューポートフェスの商業主義に反発していたミンガスだが、問題は解決したのだろうか⁈その辺の事情はわからない。ミンガスの音はよく聞こえるし、2曲ともソロもある (特に③ロー・スロー・ブルーズはベースソロで拍手まで起きている)が、選曲から見ても、リーダー的な立場とは思われないし、ミンガスである必要性もあまり感じないセッションだと思う。(hand)
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