自己のレーベル、デビューで様々なミュージシャンの録音をした時期ですが、この時期は何といってもパーカー、ガレスピー、バドというバップの3巨頭との「マッセイ・ホール」に尽きると思います。
・新宿ジャズ談義の会 :チャールズ・ミンガス CDレビュー 目次
1953.3.18 & 11.16
Roost
おすすめ度
hand ★★★☆
Sonny Stitt(as,ts),
Don Elliott(mellophone), Kai Winding(tb), Sid Cooper(ts,piccolo:1-4), Jerry Sanfino(ts:5-8), George Berg(bs), Horace Silver(p:1-4), Al Williams (p:5-8), Charles Mingus(b), Don Lamond(ds:1-4), Jo Jones(ds:5-8), Santos Miranda(conga:5-8), Johnny Richards(cond,arr)
スティットのジョニー・リチャーズ作品集。大編成のホーンズをバックにスティットの1人舞台の盤だ。②スイート・アンド・ラブリー、以外は知らない曲と思っていると、⑤ルース・ウォーク、はブルース・ウォーク、なので、どういう理由かは不明だ。スティットは艶やかなアルトがいい。ミンガスは安定したウォーキング・ベースだ。(hand)
1953.4.15
Elektra Musician
おすすめ度
hand ★★★☆
Bud Powell(p), Charles Mingus(b), Roy Haynes(ds)
ミンガスとロイ・ヘインズが入った53年4月のワシントンD.C.のクラブ・カバコスでのバド・パウエルの海賊録音。音は比較的クリアだが、ベースとシンバルの音がやや大きめだ。バド盤の中ではBクラスだが、他のピアニストと比べるとやはり素晴らしい。ミンガスはソルト・ピーナッツのような高速曲ではやっとついていっている感があり、超高速は苦手なのかもしれない。バドのスタジオ盤に呼ばれていないのもそれが理由の可能性もあると思う。(hand)
1953.5.15
Debut
おすすめ度
hand ★★★★★
Dizzy Gillespie(tp), Charlie Parker(as), Bud Powell(p), Charles Mingus(b), Max Roach(ds)
パーカー、ガレスピーがバップの創始者とされるが録音記録は意外と少なく、そこにバドまで加わっているのは奇跡に近く、ミンガス&ローチも含めて最高のメンバーという訳だ。ミンガスが自己レーベルのデビューから発売する際、ベースだけ再録したと言われている。多少ベースが目立ってはいるが、それほど違和感はないと思う。(hand)
1953.5.15
Debut
おすすめ度
hand ★★★☆
Bud Powell(p), Charles Mingus(b), Max Roach(ds)
有名な「マッセイ・ホール」の第二集は、同日のパーカー&ガレスピー抜きのバド・パウエル・トリオ。この時期のパウエルはいい演奏が多いのだが、1曲目が演奏順とはいえローチのソロドラム曲ということと、ホールでのライブなのにスローなバラードが多いのは、盛り上がりに欠ける結果を招いていると思う。早い曲では会場も盛り上がっている。ミンガスは、この盤もベースの上書きをしたと思われ、やはり多少目立っている。(hand)
④:1953.5.19
Prestige
おすすめ度
hand ★★★
Miles Davis(tp),
Dave Schildkraut(as:1), Charles Mingus(p:4), Horace Silver(p:1-3,5), John Lewis(p:6,8), Percy Heath(b), Art Blakey(d:2-5), Kenny Clarke(ds:1), Max Roach(d:6-8)
53年のセッションと54年の2セッションからなるプレステッジのマイルスのセッションで、ミンガスが53年の1曲④だけ参加している。他はパーシー・ヒースで、なぜ1曲だけミンガスなのかはわからない。たまたま遊びに来た程度の理由なのかもしれない。バラードでベースは目立っている。他曲のヒースも負けずと目立つ録音だ。(hand)
4-6:1953.5.25
Verve
おすすめ度
hand ★★★★
Charlie Parker(as),
4-6:Hal McCusick(cl), Tommy Mace(oboe), Mannie Thaler(basoon), Junior Collins(French Horn), Al Block(fl), Tony Aless(p), Charlie Mingus(b), Max Roach(ds), unknown singers(chorus), Gil Evans(arr)
パーカー盤へのミンガスの参加は数枚あるが、正式なスタジオ録音はこの盤しかない。ミンガスは巨匠だが、パーカー、ガレスピーというバップの巨人との共演は少ない。バドとの共演はある程度あるが、モンクはない。この盤は編集盤で、11曲中ミンガス入りは3曲のみで、パーカーの中でもコーラス入りの珍しい盤で意外と楽しめる。パーカー自身も脇役的だがソロ自体は好調で、ミンガスのウォーキングベースも快調だ。(hand)
Bennie Green, J. J. Johnson, Kai Winding, Willie Dennis(tb), John Lewis(p), Charles Mingus(b), Art Taylor(ds)
アナログ時代はVol.1と2の2枚で出ていたライブ。当時としては珍しい全8曲中10〜15分の演奏が4曲入っている。ジョン・ルイス、ミンガス、アート・テイラーというリズム隊で、4人のトロンボーン奏者がジャム的演奏を繰り広げる。ミンガス曲が多く、ミンガスのレーベル、デビューからなので、実質はミンガスのリーダー録音なのかもしれない。ただ、演奏にミンガス・カラーは感じない。(hand)
1953.11.30
Debut
おすすめ度
hand ★★★★★
Paul Bley(p), Charles Mingus(b), Art Blakey(ds)
バド系のバッパーだった時代のブレイのデビュー盤。バドは別として、ジョン・デニスやヘイゼル・スコットらの同じデビューレーベルのピアニストよりも数段聞く者を惹きつける素晴らしい内容の盤になっている。オマケ曲のサンタが街にやってくる、は昔から私の愛聴テイクだ。初期にミンガスがデビューレーベルに録音したピアニストは数人いるが、大成したのはブレイだけかもしれない。(hand)
①-⑥:1953.12.5
⑦-⑩:1955.1.30
Debut → Fresh Sound
おすすめ度
hand ★★
Teo Macero(as,ts), Charles Mingus(b),
①-⑥:Orlando Girolamo(accordion), Lou Labella(b), Ed Shaughnessy(ds),
⑦-⑩:Wally Cirillo(p), Kenny Clarke(ds)
①〜⑥の元々のテオ・マセロの「エクスプロレーション」は、実験音楽的で、内容も音色も特にアコーディオンが特殊な音色かつスイングしないので普通のジャズとして聞くことが難しい。ミンガスのベースはよく鳴ってはいる。⑦〜⑩は同じようにマセロも入ったメンバーだがピアノのウァリー・シリロ?をリーダーとしたセッションで、ジャジーかつスインギーだ。ミンガスの参加はここまでで、これ以降⑪~⑰のベースはウェンデル・マーシャルが弾いている。(hand)
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